【キャンベラ5日AAP】 エバンス移民相は5日、シドニーとメルボルンの2首都で、難民保護ビザ申請者の顔のデジタル撮影と指紋スキャンを行うと発表した。
エバンス相は「非市民の身元確認は、ビザ申請の処理と審査において基本的な部分だ。政府は、国際難民条約のもとで庇護を求める人々の主張を確認・査定するプロセスを改良していく。また、矛盾した身元を持つ者を見分ける能力も強化する」と声明で述べた。
すでに、不法外国人漁師やクリスマス島入管施設の勾留者らに対して、顔写真撮影と指紋採取が行われている。また、健康診断の一部として市民権の申請者の生体情報が読み取られている。エバンス相によれば、ビザ申請者の顔と指紋の情報は、英国や米国、カナダなどの諸外国と共有し、申請者の移住歴を確認するために使用されるという。
顔写真と指紋採取に応じるかどうかは、ビザ申請者の判断にゆだねられている。もし申請者がこれを希望しない場合には、申請が「標準」扱いで処理されるという。シドニーとメルボルンでの試験導入後、豪政府は申請者の顔のデジタル撮影と指紋スキャンを義務化し、オーストラリア全域で実施することを検討する予定。