【シドニー９日ＡＡＰ】　　　アフリカ東部ソマリアを旅行中に誘拐され、１５カ月間監禁された後、無事に帰国を果たしたオーストラリア人男性が初めて語った。

フォト・ジャーナリストのナイジェル・ブレナンさん（３７）は昨年８月２３日、ソマリアの首都、モガディシュ付近にある避難民キャンプへ向かっていた最中、一緒にいたカナダ人女性ジャーナリスト（２８）と共に誘拐された。２人は別々に監禁され、暴行を受けた。犯人が身代金として要求した６０万ドルを用意するため、ブレナンさんの家族らは住居を売るなどしたという。ブレナンさんがオーストラリアに帰国したのは今月６日朝。現在は家族と生活し、カウンセリングを受けながら徐々に回復を目指しているという。

ブレナンさんは次のように語った。「監禁されている間、祖国にはもう戻れないと思ったことが何度もあった。危険な国に旅行するべきではなかったとも思うが、その動機は決して間違ってはいないと今でも思う」。一緒に誘拐されたカナダ人については、「別々に監禁されていたものの、壁の向こう側に仲間がいると感じるだけで救いだった」と話した。現段階で、ブレナンさんは体験談を公開する契約や、交渉などは行われていないという。