【シドニー4日AAP】 シドニー東部のボンダイビーチで4日、80年前に発生した水難惨事を再現して大規模な救命イベントが行われた。
1938年2月6日、3つの巨大な波による引き波に海水浴者およそ250人がさらわれ、5人が死亡、35人が意識不明に陥った。犠牲者の1人は、装備なしで救助に臨んだ一般市民だった。この日は「ブラック・サンデー」と呼ばれている。
4日午後3時、鐘の音3回とともに事故当時のパニック状態が再現された。100人を超えるライフセーバーが1930年代当時の技術を用いて救命活動を行った。ジェットスキーや空気で膨らますタイプの救助ボートが現れる前は、重量のある木製ボートが使われていた。腰にロープを巻き付けたライフセーバーが海に入り、5人がボートを操縦していた。
ボンダイ・サーフ・ベイサース・ライフセービングクラブのジェイコブ・ワクス会長は、「ブラック・サンデーは救命技術改良だけでなく、ボランティア救命活動の意識を高めることになった」と話す。ボランティアが救命活動を行う国は少ないという。