【ブリスベン29日AAP】 今月13日、QLD州スレーザー島で発生した、邦人8人を乗せた4WDの死傷事故に関する検視審問がブリスベン簡易裁判所で29日、始まった。この日、法廷には事故当時、運転をしていた男性が出廷した。
この男性はヌクトウ・タカシさん(29)で、2カ月前、ワーキング・ホリデー・ビザでオーストラリアに入国したばかり。死亡した酒井健資さん(25)とはオーストラリアに到着後すぐに知り合った。2人の名義で現地レンタカー会社から9人乗りのランドクルーザーを借り、総勢8人で時速80キロ制限の海岸沿いを走行していたが、障害物を避けようとした際に横転。酒井さんは衝撃で車外に投げ出され即死だった。
事故で首を骨折したヌクトウさんは27日に病院から退院したばかり。首に固定器を装着した姿で出廷した。審問の中では、事故があった日の朝、グラス一杯弱のワインを飲んだことや、レンタカー会社が用意した英語の運転マニュアル・ビデオを完全には把握していなかったことを述べた。また、レンタルしたランドクルーザーは高速で運転すると左寄りに傾いて走行する問題があったことについて事故前から気がついていたが、事故当時は高速で運転していなかったため気にならなかったと話した。
この審問は、ヌクトウさんが日本に帰国する前に証言を得る必要があると判断した検視官が、急きょ開いたもの。来月も開かれる見込みだが、事故担当の検視官は今後、4月にやはり2人が死亡したフレーザー島での交通事故と合わせて審問を行うかを決定する。