【ダーウィン15日AAP】 14日に発表された国連の報告書の中で、オーストラリア先住民アボリジニの平均寿命が、世界の先住民のうちで最も短いことが明らかになった。
国連の報告書「世界の先住民の状況」によれば、90カ国で行われた調査の結果、オーストラリアとネパールの先住民の平均寿命が最も短く、非先住民と比較すると20年短命だという。先住民は、母子の死亡率や栄養不良、心臓病、HIV、マラリアや結核などの伝染病にかかる割合が高いという。
アボリジニ・トレス諸島民問題の社会公正委員は「近年、オーストラリアでは先住民問題において大きな前進があった。しかし、アボリジニおよびトレス諸島民はいまだに社会で取り残されたままで、日々、貧困と差別に直面している。健康・教育・住居・人権保護などの問題に取り組むうえで、彼らが本当の意味で参加・連携しなければ、解決策は見出せないだろう」と述べた。
国連の報告書によれば、世界の先住民の人口は全体の5%に相当する3億7000万人で、へき地で暮らす最貧人口9億人のうち、約3分の1が先住民だという。