【アデレード21日AAP】 連邦政府は、移植用の臓器を確保するために病院が負担する費用を補償する計画を発表した。これを受け、豪腎臓健康財団と国際移植協会は21日、臓器移植率が世界で最も低い国のひとつであるオーストラリアにおいてこの計画は移植を待つ大勢の患者にとって朗報であると語った。
ニューズ・リミテッドの報道によると、連邦政府はこの計画に1700万ドルを使用する見通しで、政府は病院に臓器提供者となる患者1人に対して最高1万1400ドルを支給することで、病院が負担するはずの臓器移植に必要な費用を支援するという。
豪腎臓健康財団のウィルソン会長によると、臓器移植の63%が腎臓関連で、移植までの待機期間は平均4年という。また腎臓移植を待つ患者は平均で週に1人の割合で死亡している。国際移植協会のチャプマン会長は、1700万ドルの補助金の支給によって、病院は重病患者の治療や臓器を提供する可能性のある患者とその家族のニーズに対応することができるとした。一方医師は、この計画は病院が患者に臓器を提供するよう圧力をかけることを促す可能性があるとし、懸念を示している。