【シドニー26日AAP】 クリケット元選手のスティーブ・ウォー氏が、希少疾患の子供たちを支援するため、国の医療制度の改善を呼びかけた。
ウォー氏は5年以上にわたり希少疾患の子供たちの支援活動を行ってきており、患者の家族が医学的、財政的、社会的な難局に日々直面する姿を目にしてきたという。ウォー氏は「病気の子供たちの大半は、ほかに頼るところがない。彼らは医療制度に見過ごされている」と指摘した。
豪小児サーベイランス・ユニット(APSU)のエリオット教授は、26日にシドニーでの記者会見で「8000種類に及ぶ希少疾患が知られており、オーストラリア人の6~10%が冒されている。このうち4人に3人は子供だ。幼年期に発症して、一生涯の病気となる場合が多く、障害を負ったり死亡する可能性もあり、診断や治療は困難だ」と述べた。エリオット教授は、希少疾患の患者は「医療制度の孤児」だと表現し、「専門家や特定の医療政策が十分でないため、診断が遅れたり受診が難しい。特殊療法があったとしても、医療費が非常に高い」と述べた。
記者会見は、今月28日の「国際希少・難治性疾患の日」を前にして行われた。