最近若者の間で、”カルシウム不足”が問題になっているのをご存知だろうか?
カルシウムの王様である牛乳や小魚を食べない若者達が増えていて、そのせいでちょっと転んだだけで骨折をしてしまったり、些細な事でイライラしたり激怒するのもカルシウム不足が原因だと言われているらしいのだ。
そんなある日、私がいつものように道を歩いていると、右ひざの外側がなんとなく痛いことに気づいた。
「あれっ?どっかでひねったのかな?ひねったことさえ気づかなかったなんて鈍感でやだなぁ・・」と大して気にせずほうっておいたが、1週間経っても何だか変なので、ある日の午後病院に行く事にした。
病院に着くと、とてもお医者様らしい白髪の先生が出てこられて「じゃ、レントゲンとりましょか・・」とおっしゃったので、私は言われるがままジーンズの裾をまくり、静かにレントゲン写真の出来上がりを待つことにした。
それから暫くして、お医者様が首をかしげて「むぅーーっ・・・・」とうなって私にレントゲン写真を手渡した。
ウェディングの写真などは毎日見ていても、あまりレントゲン写真を拝見する機会が無い私は「まぁ、なんだか素敵な写真ですねぇ」と訳のわからないコメントをしお医者様を見上げると、レントゲン写真を指してお医者様はこう言われた。
「ほらここ、ひざの骨のつけねのところにね、骨が伸びてるよ、骨が、ほらここー」 「はっ??骨ですか?」 「そうそう、骨、ボーンだよ、ボーン」 骨がボーンである事くらいはいくらトンチンカンな私でもわかるのだが、今年で33歳になった私のひざ骨が伸びていると言われても、そうは簡単に受け止められないのが大人である。
「あのー先生、という事は今後私の足が伸びますかね?」と、大人気無い希望をもって尋ねてみると「っていうか、横むけに伸びてるよ、よーーこーーむーーけーー!」と繰り返された。
こうして私の足だけ成長希望は一瞬にして崩壊されたが、「お医者様はこんなのは始めてみた!」とまるで新種の生き物でも発見したように、レントゲン写真をバンバン撮りだし、私の右足はあらゆる角度から光線を浴び、突然セレブ足と化したのである。
「ええ歳して、骨が伸びるなんて変わってるねぇー!カルシウムの取りすぎかなんかじゃないの?わはははーーーっ!!」と爆笑し、「どうしても痛くなったら削ればいいから、それまではほうっておけば?」とだけ言葉を残され、診察室を出ていかれた。
世の中には骨が足りなくて困っていらっしゃる方々が多いというのに、何とも非常識な骨であろうか。
それから約2週間後、右足とは別に以前から気になっていた親知らずが急に痛みだし、無理やり歯医者さんとアポイントを取って、即日親知らずを抜いて頂いた。
”ブリッ”という音とともに歯が抜けると「うわーっ!今までこんな巨大な親知らずは見た事がないー!」と歯医者さんまでも感動させた私の親知らずは、まるライオンの牙のような形をしていて、大きさにすると男性の親指の第一間接ほどあった。
アシスタントのお姉さんも「あらまぁーっ・・・ 今まで見たので一番大きいかも・・」と絶句されていた。
もしも親知らずコンテストなどがあるとしたならば、確実に優勝候補の私の歯を見て歯医者さんは改めて「こりゃぁ、カルシウムいっぱいとってるねーー!だははははーっ!」と爆笑し、おみやげに非常識な親知らずを頂いて歯医者さんを後にした。
カルシウムの取りすぎで右足に余計な骨が伸びたのかは未だに謎だが、チャンピオン級の親知らずを見るために、さんまの骨を丸ごと食べた事や、小魚いっぱいのふりかけをどっさりかけてお夜食を頂いた事を思い出すようになった。
それ以来、カルシウムの取りすぎ(?)で骨が伸びたり、巨大化した私の骨たちがとても非常識な存在に思え、記念に残しておこうと思っていた親知らずを捨てる事にした。
こうして非常識な親知らずはリサイクルされる事なく生ゴミとして捨てられ、二度と見る事は無くなったが、これ以上右足の余分な骨が伸びてくれない事を祈るばかりだ。
♦シドニークリエイティブフォトグラフィー♦
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