JAMSでもかなりお馴染みになった元ガリレオの総料理長・犬飼春信氏がオーナーシェフとなって8月にポッツポイントにオープンした話題のビストロ
「Blancharu」
に取材へ行ってきました。
オープンから2か月。
ほぼ毎日満席という人気具合。
その背景には犬飼氏の料理へのこだわりや今まで培った人脈が伺い知れる。
その名の通り、「白」を基調とした店内は明るく、でも落ち着いた雰囲気を醸し出す。
<Entree>
Gravlax of Salmon with Yuzu Cream sauce $14
オントレーの中で人気メニューのひとつ。脂の乗ったサーモンをコリアンダーシードや野菜、昆布等と熟成させ、香り高い柚子風味のクリームと頂く。
Terrine of Duck,Rocket Salad & Pistachio Dressing $20
フォアグラとピスタチオ入り。意外とあっさりとしていて塩加減が絶妙。口の中で味わううちに塩味が広がり、ピノノア辺りの軽い赤ワインとよく合う一品。
<Pasta&Risotto>
Hand made Pasta with Sea Urchion&Wasabi $20
夏限定メニュー。わさびと昆布出汁、醤油、セロリの葉などが隠し味。自分らしく和風テーストに仕上げたこだわりのメニュー。程良い歯ごたえにあるプリプリ感が楽しめるパスタと新鮮なウニ、ノリの和風テーストは日本人好み。Mがこのメニューを見つけたら絶対にオーダーする一品。
Porcini Risotto,Parmesan Cheese $18
香り高いポルチーニ茸とたっぷりなパルメザンチーズで絡めたリゾット。ハットレストランで頂くものだと、濃すぎるのが玉に瑕だが、やはり日本人に合う味付けと量が嬉しい限り。
<Main>
左:本日の魚料理$24
まかない飯からアイデアを得たというシーフードオムレツ。
チャイニーズのテクニックを取り入れた、かき揚げ天ぷらのような海老と蟹の味が卵の風味に包まれた、懐かしい味がする一品。
海老から取ったストックと、ふわふわ感を出す為に入れるサラダ油がポイント。運が良ければ出会えるかも!?
Roasted Duck Breast,Baby spinach&cardamom sause $26
メインの中で人気の一品。癖や臭みが一切ない柔らかいダックとそれを引き立てるソースがよく合う。
<Dessert>
左:Traditional Vanilla Creme Blulee $12
右:Coconut&Champagne soup with Panna cotta $12
濃厚なパンナコッタが爽やかなレモン風味のタピオカスープに包まれた一品。
トロピカルでサワーな味が甘さ控えめのパンナコッタと絶妙なマッチング。
右写真:オーナーシェフの犬飼春信氏。
5つ星ホテルの中にある高級フレンチの料理長というポジションは決して捨てがたいものではなかったはず。
しかし、何よりも独立する事に家族は理解を示してくれたという。
「度胸があるから大丈夫よ」
そう応援してくれている奥さんは、日々犬飼氏の健康に気を遣った手料理を用意して、家路につくのを待っているそう。
やはり家族の協力なくして「成功する」独立はないのかもしれない。
今はまだ経営やオープンしたばかりのお店の事に神経を奪われ、まだ本当の意味で料理を楽しく作れていないという犬飼氏。
「今はとにかく必死なんです」
その気持ちが同じ棘の道を歩んだMには痛いほど分かった。
営業中だけは料理に集中するので、一番熱くなれるという彼の言葉通り、独立後の料理に既に多くのファンが付いている。
なかには週に数回は来てくれるというローカルのお客様もいるそう。
今後の意気込みとして、「1日でも早く料理を楽しく作れるようになりたい」という犬飼氏の言葉は、一流のシェフとして改めてスタート地点に戻った、意味のある言葉だったのだと思う。
4コースディガステーション $65
BYO 平日$10/本、週末$20/本
Shop 1, 21 Elizabeth Bay Road,
Elizabeth Bay NSW 2011 AUSTRALIA
T : +61 2 9360 3555
F : +61 2 9360 3556
E : info@blancharu.com.au
tue – sun for dinner from 6:30pm – 10:00pm
sat – sun for brunch 10:00am – 3:00pm,
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