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インドのおたけび

 

インドのおたけび♦ 

先日、某プロダクションの撮影が終了後、プロダクションの皆様に連れられて市内のおしゃれさんなバーに

連れて頂いた時のことである。 

その日は数ヶ月間の長期プロジェクトの最終日ということもあり、豪勢なファンクションが手配されていた。

当日は、市内のおしゃれさんバーの2階を貸切って、カラフルな創作寿司を始め、おしゃれさんなカクテルや

高級シャンペンなどが振舞われ、ちょっとしたアクロバットショーなどもあったりして、どちらかと言えば“おほほほ系”のファンクションであった。

しかしながらそんな気品もどこにやら、パーティーも数時間経過すると、“だははは系”の飲み会的な雰囲気と移行し、そこから数時間後になってもまだ残っている私のような輩は、“ふにゃふにゃ系”のよっぱらい団体に転落していったのは言うまでもない。 

そんなパーティーがまだ“おほほほ系”の早い時間に、突如スタイリストのMがこう叫んだ。

「あっ!何か全然関係無い人が、勝手に入ってきて暴食しながらダンスしてるぅーー!」 

早速彼女の指差す方向を振り返ってみると、上下青いトレーナー姿のインド系の男性がどこからか舞い込んできたようで、シャンペンやらお寿司やらを手当たり次第に暴食しながら、ご機嫌さんにくねくね踊っているのを発見した。 

このインド系の男性は“今だ!“と言わんばかりに創作寿司を暴食し、「だははははーーーっ!」と下品に大笑いしては思いっきりのけ反り、その後はお尻で何度も丸字を描くようにくねくね踊っては、「フゥーーーーッ!」と田原のトシちゃんを思わせる奇声まで連発していた。 

そんな悩ましいダンスを魅了する彼の姿は、断食から抜け出したインド人のウィーグルスのメンバーに似ていた。 

そんな彼の“断食ダンス”も長く続く事は無く、係りのお兄さんにあっさりと連れられていったのである。

その間も「フーーーーッ!!!」とか「ヒーーーーッ!」などの奇声を連発し、悲鳴なのかただのおたけびなのか、

わからないまま彼は消えていったのである。 

そんな彼の姿を見た私は「本当に無茶苦茶な人だったねぇ・・ 泥酔とはこの事だね・・」と、

スタイリストのMに同意をもとめると彼女は私に向かってあっさりこう言った。

「あんたもも連れて行かれないように、おたけびだけは出さないでよね・・・」

人のふり見てわが身を・・ とはよくいったものである。

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