前回はオーストラリアで一番標高の高い湖、クータパタンバ湖まで ご案内しましたが、今日はいよいよコジオスコ山頂まで一気に説明 しましょう。所々に現れるお花畑、端っこをつまんで持ち上げると絨毯 のようにはがれるカーペットヒース、クリークの水溜りで元気に泳ぐ 小魚・マウンテンギャラクシア、30年前まで絶滅種と考えられていた 珍獣・マウンテンピグミーポッサムなど、大陸最高峰でありながら、 どっこい、小さな生命に満ち溢れたパラダイスがそこにあるのです。
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■ クータパタンバ湖~ローソンズ峠 |
クータパタンバ湖を通りこすと、両側に丸みを帯びた大きな岩がゴロゴロと現れて きます。地球上で最も古い大陸で、長い年月をかけて太陽と風に削り取られた岩肌 の堅い部分だけが残されて、このような奇岩群ができたといわれています。その 岩場を通り過ぎ、さらに登っていくと右手から合流する登山道(サミットウォーク)が 見えてきます。この合流地点が標高2,110mの、ローソンズ峠(Rawson’s Pass)で す。話は戻りますが、ローソンズ峠まで続いたメタルパス(金属製の網板)は17年か けて1999年に完成したそうです。冬になると雪の漸動の影響を受けるので、毎年 夏 のシーズン前には補修が欠かせないとのこと。エライ根気強い労力に感謝です。
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■ ローソンズ峠~コジオスコ山頂 |
出発点からここまでで約5km、ここから山頂まではあと1.5kmです。ローソンズ峠で 左手に山頂へつづく旧登山道の跡が見られます。メインルートは山頂に向かって 右手を迂回するように続いており、ここでメタルパス(金属製の網板)に替わって、 砂利を敷かれた登山道にゴムが埋め込まれています。これは古タイヤを砂利留め 用に再利用しているのだそうです。足許は滑らないのですが、ところどころつまずき やすいのでご注意を。勾配が少しだけきつくなりますが、さらに視界がひらけ遠く ビクトリアンアルプスまで見渡せます。このあたりの岩場には、マウンテンピグミー ポッサムという、VIC州とNSW州のにしか棲息しない珍しいポッサムが いるそうです。1966年までは化石しか確認されず、絶滅種とされていた動物で、 体長11Cm、尻尾の長さは14Cm、夜行性のため日中はなかなか姿を現さない ようです。
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■ 標高2,228m大陸最高峰の山頂へ |
さらに登っていくと、氷河の浸食作用により丸みを帯びた山頂が見えてきます。 山頂には石畳がしかれ、岩を積み上げた四角い柱が立っているのですが、 それがなければ一体どこが山頂?と首をかしげそうな平坦さ。しかし360度 視界がひらけ、登頂を終えたハイカーたちが思い思いにお弁当を広げ、休憩を とっています。携帯電話の感度は良好、登頂達成の喜びを家族や仲間に 知らせる姿、家族団らんしているファミリー、長年連れ添ってきたパートナーと 満足げにお茶をのむ老夫婦、コジオスコ山頂はとっても和やかな雰囲気に 包まれているのです。
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(つづく) |
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