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【料理】 元気が出る食事(第6回) 牛肉の基礎知識

6回  牛肉の基礎知識

オ-ストラリアの牛肉は、基本的にはグラスフェッド(牧草を飼料とする)肥育なので、日本の肉に較べると脂が少なく赤み率が高いのが特徴です。

しかし最近はWagyuと呼ばれる肉(多少、脂身が多い)が一般市場でも販売されるようになりました。しかし、オーストラリアの場合、

品質、飼料、種などのグレーデイング規格が統一されておらず、“Wagyu”といっても、千差万別です。

※日本の場合は、厳しい規格があり、ほんの一部の肉しか和牛とは呼べません。 普通のグラスフェッドビーフにただ、

高値をつけている悪徳な業者やレストランもありますので、注意する必要があります。

 
 牛肉は腐りかけが美味しい?!
“牛肉は、腐りかけが美味しい”と言われますが、実際に腐りかけが良いわけではなく、屠畜後、正しい温度の下で

正しく熟成させたもの(エージングという)が旨みや香りがあって美味しいという意味です。一旦お店でカットされたものや

ひき肉にされたものは、人の手に触れ、空気にさらされているので、菌の繁殖が早く、なるべく早めに食べた方がいいですが、

バキュームパックに入っている肉は、冷蔵庫で2〜3週間エ-ジングさせて食べた方が肉も柔らかく、美味しくなっています。

 
  肉の栄養
牛肉には消化吸収がよい良質のタンパク質が多く含まれています。このタンパク質は体の組織を作るだけではなく、

免疫機能を高めたり、脳神経の働きを活発にしてくれます。育ち盛りの子供はもちろん、たんぱく質の必要なお年寄り

(なるべく脂身の少ない赤み)にも是非摂って頂きたい食材の一つです。

また、牛肉は他の肉に比べて鉄分を多く含んでおり、鉄欠乏性の貧血の予防と治療に効果大です。何を隠そう、

私自身、日本にいる頃は常時貧血に悩まされていましたが、オーストラリアで牛肉を食べるようになって、完治しました。

 
 部位と調理法
日本とオ-ストラリアのカットは多少違いますが、以下の表をご参照下さい。

 

サ-ロイン
Striploin
ステーキ用の肉として有名で牛肉の中では最高の肉質。やわらかく霜降りが多いのが特徴。ステーキはもちろん、しゃぶしゃぶ、すき焼き、そしてローストにも適している。
ヒレ
Tenderloin
とてもやわらかく脂肪が少ない。1頭の牛からほんのわずかしかとれない。味が淡白なので、ステ-キにした場合、通常ソ-スがサーブされる。
らんいち
Rump
やわらかい赤身肉。あっさり味で比較的いろんな料理と愛称がよい。オーストラリアではステーキとしてよく食べられる。
リブロ-ス
Cube roll, Rib eye Scotch fillet
とてもやわらかく霜降りが多い肉。きめの細かい肉質で旨味がある。しゃぶしゃぶ、すき焼き、たたき、ローストに適している。
肩ロ-ス
Chuck roll
肩に位置するロース。きめも細かくやわらかいのが特徴。ステーキ、しゃぶしゃぶ、すき焼きなどに適している。
Chuck, Clod
両肩のかたロースを覆うように位置している。よく運動する部分なので筋肉やすじが多いので、シチュ-等の煮込みに適している。
ばら
Brisket
あばら骨についた肉。赤身と脂肪が薄い層となって交互に重なっているのが特徴で、三枚肉とも呼ばれる。カレーやシチューなどの煮込む料理、また炒め物に適している。
しんたま
Thick Flank
後ろ足の付け根を構成する部分で、やや硬い肉。カレー、シチューなどの煮込み料理に適している。
もも
Topside(側) Silverside(外側)
後ろ足の付け根の部分。内側をうちもも、外側をそとももという。赤身中心でカレー、シチューなどの煮込み料理、またひき肉に適している.
すね、
くび
Shin, Shank
Neck(Chuck)
名前のとおり牛のすねと首にある肉。どちらも筋が多く非常に硬い肉。しかし、肉の味は濃厚でおいしいです。すねから作るひき肉は最高級です。煮込み料理やスープに使用
 
 
管理栄養士、食育インストラクタ- 才川須美
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sumisaikawa@pacific.net.au

 

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