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第2回 プロテニスプレイヤー クルム伊達公子さん 2

今季初戦のオークランドのASBクラシックでは準々決勝まで勝ち進まれましたが、これまでのところは全豪オープンに向け計画通りに進んでいますか?

予定通りではないですが、シーズン最初ということもあり、できるだけ試合数をこなしたいという気持ちは当然ありました。実際に明確なターゲットがあったわけではなかったのですが、オークランドで3試合こなして、ここにきて3試合(インタビュー時はシドニーで3試合でしたが、実際は予選3試合、本戦2試合)で合計6試合も戦っているので、まぁ試合数からすると十分な数はこなせてきているので、後はけがなくメルボルンまで過ごすことも大切ですし、その中で自分のテニスの質を上げていきたいです。本当に目指すところは全豪です。まぁあと1週間しかありませんが・・・。当然コートに入れば勝ちにこだわっていきますが、その中でも内容・質の高いプレーをしていきたいと思っています。ここまで順調すぎるぐらいほど順調です。暑さにも慣れてきていますし、身体も動いていますし、オフシーズンにやってきたことの効果も感じながらコートに立てていると思います。

彼(ミハエルさん)もシドニー入りしてくれました。全豪まではいれないのですが、本当にこの1週間だけのためにきてくれました。

全豪オープンでの目標は?

(グランドスラムに関しては)去年ワイルドカードだったり、予選勝ち上がりだったり、予選敗退も経験して、自力で入ったのは今回が初めてです。昨年予選を勝ち上がって本戦で戦ったのとはまた違った形で全豪を迎えるわけですけども、こればかりは本当にドロー(組み合わせ抽選)が決まらないとどうなるかは難しいところですね。何ができるかわからないですが、グランドスラムは選手にとって本当に特別な場所ですし、第一次キャリアの時も、私にとってオーストラリアというのは非常に相性のいい場所でしたので、思い切ったプレーができるかなと思います。

今年は、14年ぶりにフェド・カップにも出場されるそうですが、日本チームのために戦うことを決意された背景は何ですか?またチームには一回り以上若い選手もいますが、どのようにしてチームに貢献していきたいと思いますか?

ひとつには監督の存在があります。すごく情熱的な監督です。私が若い頃に現役だった方が今、監督になられ、そのテニスに対する熱意に影響を受けたのが大きいです。もともとフェド・カップだったり団体戦というものは、高校時代に団体戦で戦ってきただけに、一味違ってやりがいがあるものだと思います。ワールドグループからアジア・オセアニア地区グループに降格して、もう一度ワールドグループに返り咲きたいという位置の中で、プレーヤーという立場でなくてもチームに入ることによって何か力になれることがあるのであればという気持ちが少しずつ大きくなってきたタイミングだったと思います。

当然年齢もかなり離れているプレーヤーもいるので、良い意味で緊張感もあると思います。国別対抗戦というものは、個々の持っているものを引き出すことが難しい部分があるのですが、プラスになる時は見えない力が働くこともあります。逆に出せるものが出せなくなることも多々あります。どうやって持っているものを引き出せるかというのは、経験というものも大きく左右してくることなので、その辺で引っ張って上げられるところは引っ張っていて、と思います。私は当然回復力が重要になっているので、その辺で若いプレーヤーたちがカバーしてくれるところをカバーしてもらい、チームがワールドグループにもう一回戻れる結果がついてくれば一番良いので、そこに向けてみんなで協力できればいいなと思います。

ことしの目標、今後の長期的な目標についてお聞かせください。

本当にどこに向かおうとしているのか、自分でもわからないところがあります。とにかくここまで来た以上、けがなく、チャレンジをもう少し続けていきたいという気持ちになってきています。もちろん、勝負にもこだわりながらチャレンジを楽しみながらやっていこうと思います。ただ当然ランキングには追われる日々なので、ランキングがなければなかなかいい環境も整ってこないですし、勝ちにいくことも難しい状況になってしまいます。上がれば上がるほど戦いやすい環境が整い、結果も付いてくるし、チャンスが広がる可能性があると思います。具体的な数字というのは、今回のチャレンジの中ではそれほど考えていないので、グランドスラムの大会の中で、ビッグパフォーマンスを出せられるような、そして、見に来てくれる人達が、年齢に関係なく、チャレンジすることの楽しさを感じていただいて、もう一度記憶に残るプレーをし続けていきたいと思います。

オーストラリアは、一度引退される前にもよくいらしていた国だと思います。

クルム伊達さんから見たオーストラリアの印象はいかがですか?

国が本当にのんびりとしていますね。大都市にも関わらずのんびりとしている部分がとても印象的です。その中で、街並みにも緑がたくさんありますし、人もみなさん優しい印象があります。わたしたちテニスプレーヤーはいつも夏を追い求めて旅をするので、夏のオーストラリアの経験しかほとんどありませんが、私はそこそこ暑くて、湿度のある国が好きなので、ちょうど自分の体に合っています。良い結果が付いてくるのもそういう部分かなと思います。永住ですか?どうですかね、彼がヨーロッパ人なので、ヨーロッパの方が確率的は高いですけど、彼も今回初めてオーストラリアにきて、すごくいい印象を持っています。彼はニュージーランドにも興味を持っているんですよ。

オーストラリアにもたくさんの日本人が住んでおり、クルム伊達さんのことを応援している方も多いです。そのような方々にメッセージをお願いいたします。

こちらに住んでいらっしゃる方の中にも同世代の方がたくさんいると思います。テニスが好きな方も、また、オーストラリアにいるからその機会にということで見に来てくださる方もいらっしゃると思います。世界のどこにいても日本にいても、みなさんには、(私の)コートに立っている姿から、年齢に関係なくチャレンジすることの楽しさを感じ、何かを持ちかえっていただき、日々の中で自分へのチャレンジを見つけてよりよい人生を送っていただきたいなと思います。どこかで自分の限界を決めずにやっていれば、可能性が広がってくるということがみなさんに届くといいなと思います。

 

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