”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート) |
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Joe Tsuda のプロフィール
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場メッセージを発信している。為替歴28年。
趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
今週の主な予定、イベント
3/21(月)日本祝日(春分の日)、ユーロ圏財務相会合、米2月中古住宅販売件数
22(火)英2月消費者物価指数
23(水)宮尾日銀審議委員記者会見、英MPC議事録、米2月新築住宅販売件数、バーナンキFRB議長講演
24(木)NZ第4四半期GDP、日本2月貿易統計、独・ユーロ圏3月PMI、米2月耐久財受注、米失業保険申請件数、EU首脳会議(~25日)
25(金)日本2月消費者物価指数、独3月景況感指数、ロックハート・アトランタ連銀総裁講演、プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演
マーケットの焦点
震災の被害拡大、原発問題と日本はまだまだ大変な状況で、心よりお見舞い申し上げます。
先週はドル円が従来の史上安値を大幅に更新して76.25円まで急落後、G7の協調介入で一時82円近辺まで値を戻すなど、金融市場においても、ある意味で”歴史的な1週間”でした。
リビア問題の緊迫化、欧州財政問題の状況は従来と変わらずでしたが、やはり世界的に市場の目はGDP世界第三位の経済大国日本における未曾有の大地震が日本経済、そして世界経済に与える影響に向かいました。
「日本の保険会社や事業法人が海外資産を取り崩して円資金を本国送金する」「世界的に円資金が不足し円金利が急騰する」「円資金調達に失敗した企業は為替市場での円買いで円資金を調達する」などの思惑が市場を駆け巡りました。また、それに乗った投機的な円買いが従来の史上安値79.75円以下にあったストップロスオーダーを巻き込みながら、17日早朝にはドル円は一挙に76.25に暴落し、ユーロ円106円台、ポンド円122円台、豪ドル円74円台など、円クロスが大幅に下落しました。
ただG7は直ちに緊急会合を持ち、極端な円高の日本経済、金融市場に与える悪影響がひいては国際金融市場にも波及することを憂慮し、翌18日にはドル買い円売りの協調介入に踏み切りました。
ドル円は82円台近辺まで大きく値を戻しました。このドル円における協調介入は1998年、逆にドル円が146円台まで急上昇した時の円買いドル売り介入以来であり非常に異例ですが、今回はさすがに”大震災に対する同情票”が全員一致で日本に入ったのでしょう。
ただ週末にも米英仏軍がリビアのカダフィー政権側に空爆・ミサイル攻撃を実施し、これに対してカダフィー側は徹底抗戦の構えを見せるなど、まだまだリスク要因が多い市場です。
暫くはリスク回避的な円買いと協調介入の綱引き状態が続くことが予想されますが、果たして今回の協調介入に”押し上げ介入の意図”があるのか?
リパトリの円買いの思惑も依然として強く、今週以降、市場はG7の介入姿勢を見極める動きとなりそうです。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.9706-1.0155 AUDYEN 74.57-83.21
今週の予想レンジ AUDUSD 0.9800-1.0100 AUDYEN 78.00-82.00
”今週はリスク回避と介入警戒感の綱引き”
先週は週初高値1.01台、83円台から”大きく下げて半値戻し”の1週間でしたが、まあ予想通りに「十分ボラタイルなマーケット」でありました。
先週、豪ドルは豪州国内要因どこ吹く風で、まさにリスク通貨としての本領を発揮して激しくUP & DOWNしました。
週初は前週の戻りセンチメントを受けて1.01台、83円台と堅調裡にオープンしましたが、日本の震災の被害拡大や放射能汚染懸念からリスク値が急上昇。17日早朝には上記のような投機的な円買いが爆発し、市場にはパニック的な円買い米ドル売りが出回り、ドル円は下り坂を転げ落ちるように数10分間に76.25円まで急落します。
この動きはクロス取引での円買い/通貨売りに波及し、豪ドル/ユーロ/ポンドなどが連れ安となりました。
しかしさすがにドル円の史上安値での滞在時間は短く、警戒感から自律反転しますが、その動きは翌日のG7協調介入につながります。
豪ドルもドル円の急反発にフォローして99セント台後半、81円台まで値を戻した後、若干緩んで越週しています。
さて、今週も引き続き国内では大きな経済指標の発表・イベントはありません。やはり上述のように根強いリスク回避の動きとG7協調介入の出方が豪ドル相場を動かしそうです。
先週見た安値(97セント近辺、74円台)更新はさすがに警戒的ですが、まだリスク回避的な豪ドル売りが終わったわけではありません。
特にG7の”押し上げ介入”なしでは、ドル円はまたジワジワ下がりそう。ドル円反落時において、G7は更に腰の据わった協調介入を行うか?
注目したいところです。
つボヤキコーナー
”ささやかな協力”
先週はドル円が76.25円と従来の史上安値79.75円(1995年4月19日)を大幅に更新して下落し、一日おいて18日にはG7協調介入が実施されドル円は一時82円近辺まで値を戻しました。
ちょっと過去の歴史を見てみますと、これはまさに1995年1月の阪神淡路大震災を思い出させます。当時は震災を受けて"地震の円売り”でドル円は98円台から一旦101円まで買われましたが、その後は日本経済の特徴でもある"株安円高不況”に突入し、4月には当時の史上安値79.75円を付けています。これが1995年8月のG7の円売り協調介入につながり、今度はドル円が一転上昇トレンドなります。
1998年6月には146円まで上昇し、今度はG7の円買い協調介入につながり、それ以後ドル円相場は100円を目差して大きく下落することになります。
日銀は昨年9月に”単独介入”を実施して市場をビックリさせ82円台から85円台にドル円を押し上げましたが、やはり孤立無援の単独介入では効果は限定的で、その後ドル円はじり安推移で先週史上安値の更新となった訳です。
このように歴史を振り返りますと『やはり国際協調介入は通貨の長期的なトレンドの転換点になりうる』と考えられます。
日ごろは”アンチ介入派”の私ですが、今回は各国中銀に従い"ドル買い円売りポジション”を作成しました。
日本経済は円安が株価上昇に結びつきます。日本復興ために私で出来る”ささやかな協力”、、、
それでは 、Have a nice DAY!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j
サンプル例を添付させて頂きます。
ご注意!
本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、
それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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