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公約なのか、口約なのか?

26日のNSW州議会選挙では、与党労働党が惨敗を喫し、野党の保守連合が16年ぶりに政権を奪回しました。

「権力は必ず自ら腐る」と言いますが、いくら清新な政策を掲げて登場した政党も、長年権力の座に座っていると、次第に尊大になり、国民の声を聞く耳を持たなくなり、あげくは独裁と批判されることになってしまいます。

16年間の労働党州政権も、ここ最近は、州首相を含めた閣僚のスキャンダル辞任が相次ぐなど、権力者としての晩年の姿をさらしたようです。もちろん、州民にとっては、まったくと言ってよいほど改善されない、交通渋滞、通勤地獄があり、医療サービスがあります。

さて、今回の政権交代によって、劇的な州政治の転換が行なわれるのでしょうか?

選挙前に保守連合は、学校や病院を減らすことはしない、人員削減や自由化路線はとらない、州の祝日を減らさない、10万人の雇用創出を目指す、鉄道の北西路線建設を実行する、閣僚の家族を関係部署に雇用しない、鉄道料金を年間で100ドル以上値下げする、などの「公約」を掲げていました。

オファレル新州首相は、就任後、まずは交通インフラの改善を約束しました。これが実現すれば、最大の功績になることでしょう。

もっとも、日本の民主党が政権交代を実現し、そのマニュフェストに国民の誰もが期待をしましたが、結局、その公約の多くは、財源問題などにより先延ばしや内容の縮小など、完全実施にはほど遠い結果となっているように、政治における公約は、ほとんど実現しない選挙時の口先だけの「口約」に過ぎないと言われるほどです。

今回のオファレル州政権の公約も、口約とはならないことを願っていますが、早速、マスコミでは「A dozen promises to remember」として、選挙時の保守連合の公約をリストアップして、その記事を切り抜いて冷蔵庫に貼っておき、実現するかどうか注視するようにと言っています。

それほど政治家の口の軽いことは世界中、どこも同じなのでしょう。まさか、今回の保守連合の勝利も、労働党が辿った16年間につながることにはならないでしょうね。

州民や市民にとって、州の政権運営は毎日の生活に直結する大事なものです。本当に交通渋滞が解消するのか、料金が値下げになるのか、自由化によるリストラが生まれないのか、今後の動きをしっかりと見ていきましょう。

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