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女王が死ぬまで待てない?

今日はオーストラリアは祝日ですね。西オーストラリア州を除く全州・地域で「女王誕生日」(Queen's Birthday)の祝日です。

ご存知のように、オーストラリアの女王は英国女王のエリザベス2世(Elizabeth II)ですね。オーストラリアは英国の植民地としてはじまったわけですから今でも英連邦の一員ですし、エリザベス2世も英連邦16カ国の女王として君臨しているというわけです。ですから、エリザベス女王はオーストラリアをはじめ、ニュージーランド女王やカナダ女王、パプア・ニューギニア女王、ジャマイカ女王だったりするんですね。

昔々、1788年に当時の総督アーサー・フィリップが英国国王の誕生日を祝うということで祝日をオーストラリアに持ち込んだのですが、1936年までは実際の誕生日を祝日にしていました。ところが国王・女王が代わるたびに国の祝日を変えるのも混乱するので、1936年、当時のジョージ5世が亡くなった際に、今後は英国国王・女王の誕生日の祝日を6月第二月曜日にすると決めてしまいました。

ちなみに今のエリザベス2世は1926年4月21日が本当の誕生日ですから、女王誕生日の祝日も4月21日が正式なのですね。

女王誕生日がやってくると必ず論議されるのが、オーストラリアは英国から独立した民主国家なのだから、いつまでも英国女王をトップに戴かなくてもよいのじゃないの? というものです。エリザベス2世は1952年に女王の地位に就いたわけですから、約60年間オーストラリア女王として君臨しているんです。

そこで、オーストラリアは共和制に移行して名実共に英国から独立すべきだと主張する人たちがたくさんいます。これまでにも君主制の是非を問う国民投票が何度か実施されてきましたが、いずれも僅差で否決されています。前回は1999年に実施されました。

労働党政権は君主制から共和制への移行を主張していますので、労働党政権の下で、共和制への移行があるのではないかと考えられていますが、どうも今のギラード政権にはそのような動きが見られません。

今日の祝日に際して、前首相のラッド外相がコメントを発表し、労働党にとって共和制論議は、政策課題としてはそれほど優先されるものではなく、ずっと下位の課題だとしています。さらに、現エリザベス女王が亡くなったときに論議すればよいとしています。

たしかに英国での女王・国王交代時期は、共和制移行の大きな機会になるでしょうね。でも、それまで待てないという意見も強くあります。「オーストラリアの国のトップはオーストラリア人であるべきだ」という、至極真っ当な意見が強いのです。

はたしてエリザベス女王が亡くなってチャールズやウィリアムに座が移るのか、それともオーストラリア共和国として大統領を選出して名実共に独立国家となるのか、それよりも前に、再び共和制を問う国民投票が実施されるのでしょうか?

はっきりしているのは、オーストラリア国民の間にエリザベス女王の人気は非常に高く、あえて今、女王を代えなくてもという気分が強いということです。

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