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トップの座は快適ですか?

震災対応で忙しいはずの日本の政治は、首相が辞める、辞めないの政局で忙しいようで、何とも情けない状態が続いています。

さっさと関係省庁に指示を出して、仮設住宅の建設やら義捐金の配布やら、物事をひとつずつ進めていけばこんなにもめることもなかったはずなのに、互いの足の引っ張りあいに終始してしまい、まったく前に進むことなく3カ月が過ぎてしまった感があります。

よく言われるように菅首相は何かをやりたくて首相になったわけではなく、ただ首相になりたかっただけのようで、なってみるとこのままずっと居座りたいということなのか、退陣をほのめかしておきながら、いろいろと理由をつけてなかなか辞める気配がありません。

それほどトップの座は居心地が良いのかもしれませんね。

オーストラリアのトップの座も、快適といえば快適なんでしょう。ギラードさんも、党内クーデターで手に入れたトップの座を、なかなか手放そうとはしていません。

ところがオーストラリアも日本の政局同様、ギラード首相に対する風当たりが強くなってきていて、新党首・首相に就任して1年になる今月、ギラード首相の評価についてこのところかなり厳しい批判が新聞紙面を賑わせています。

先週の世論調査では、労働党の党首にふさわしい人は?という問いに、60%の人がラッド外相(前党首・首相)と答え、ギラードさんは31%でした。また、誰が首相にふさわしいか?という問いには、2010年10月の調査ではギラード首相53%、アボット野党党首39%だったのが、今回の調査では共に46%と均衡しています。首相のパフォーマンスを問う質問には、37%しか評価していません。これは首相の評価としては過去10年で最低です。

国民にはどうしても、労働党の政権返り咲きを果たしたラッド前首相を1期目でクーデターによって引きずり下ろした冷酷なギラードというイメージがあって、あまり高い評価につながっていないようです。とはいっても、もともとラッド前首相が突然、資源税の導入を発表したり、温暖化対策の先送りをしたりして、多くの国民の反発を買ったのが一番の原因なのですが、冷酷な党内クーデターの真相が明らかになってギラードさんの評判も悪くなったというわけです。

もともと冷淡、非情というイメージが強かったギラードさんですが、ラッド政権で副首相になって次第にそういうイメージを払拭してきて、ついにオーストラリア初の女性首相という積極的な評価を得たのですが、炭素税は導入しないと言っていた公約を反古にしたことなどで、ついに最低の首相という烙印を押されてしまったのでしょうか。

不思議なのは、1年前と比較して、国民の平均所得は週平均21ドルアップし、株価も5%アップし、失業率は0.3%下がっているのにも拘らず、政府トップの首相の評価が低いというのは何故なのでしょう。「ギラード首相になってこの1年で、世の中良くなった、それとも悪くなった?」という問いに、51%が悪くなったと感じています。約半数がいまの雰囲気を悪く感じているのは、何もギラードさんのせいばかりではないと思うのですが、そこは首相という立場。何があってもすべての責任が問われます。

菅さんもギラードさんもトップの座を快適に感じているのか、それとも苦しい試練の座と感じているのでしょうか。粘り腰で続投を果たすのか、それとも引きずり下ろされるのか、政局を楽しむ野次馬気分です。

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