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新年度は値上げでスタート

今日から新会計年度です。オーストラリアでは会計年度は7月1日から翌年6月30日までの1年間です。そのため、暦の1年の周期とは半年ずれた年度がよく使われています。

今日から2011/12年度が始まるわけです。給与や有給休暇や政府からの補助金・手当など、すべてこの会計年度の周期に応じた取り扱いがされています。

で、新年度がスタートすると、軒並み諸物価が上がるようになっています。この時を待ってましたとばかりに、さまざまなものの値段が上がります。もちろん中には下がったり、政府の手当が上がったりはありますが、微々たるもので、総じて生活が苦しくなるようになっています。

シドニーでいえば、まず電気料金が値上がりします。NSW州には電力会社が3社ありますが、15.5%から18.1%、平均17.2%の値上げです。ガスも上がります。これも3社平均4%の値上げです。水道だって負けじとばかり、5.7%の値上げです。これら光熱費だけでシドニーの平均的な家庭で年間約313ドルの値上げになります。

そのほか、カウンシルの税金(Rate)が2.8%、タクシー料金が3.5%、自動車登録料が57ドルに、運転免許証(5年間)が157ドルに、それぞれ上がります。郵便は小包料金が上がり、250グラムが5ドルに、3キロ(Prepaid satchel)が11.2ドルに、それぞれ上がります。

このほか、洪水被害対策としての特別課税がなされて、5万ドルから10万ドルの所得の人は0.5%、10万ドル以上の人は1%の税金が徴収されます。

こうしてみると、今年度の生活は、結構苦しくなってくるのでしょうね。皆さんのお小遣いの額が減るのは確かなようです。

値下がりするのは少しあります。電車の定期料金が、月100ドル(10キロ区間)から91ドルに下がり、年間2,464ドル(65キロ以上の区間)から2,240ドルに下がります。ライトレール(路面電車)もMyZoneのチケットに含まれるようになり、1枚のチケットで共通利用できることになります。ほかには、住宅ローンの借り換え時の解約料金(Exit fee)がなくなります。また、学校の制服代を教育費として税額控除できるようになります。

まあ、雀の涙の値下げ項目があるにはありますが、総じて物価の上昇は避けられません。インフレ率は3.3%になります。さらに政府は「炭素税」の導入を進めています。

オーストラリアのエネルギーは、とにかく石炭に負っています。石炭火力発電が約80%を占めています。それだけ石炭を燃やして二酸化炭素を吐き出しているわけです。二酸化炭素は人類にとっても地球環境にとっても必要なものなのですが、過剰に排出すると地球生態系に何らかの影響を与えるということで、二酸化炭素の削減を世界各国で決めました。

オーストラリアはそのために自然エネルギーの割合を増やして、2020年には電力供給の約20%を再生可能エネルギーにしようとしています。そして二酸化炭素の排出削減目標も、2020年には5%から最大15%にする計画です。

そのため「排出量取引制度」の導入を考えているのですが、それに向けてまずは「炭素税」をはじめようというわけです。もちろん産業界からは負担が大きいとして反対の声が挙がり、今日から、反対キャンペーンを大々的に展開することになっています。炭素税が導入されると企業はその負担分を回収するために価格の値上げなどで、結局、消費者が最終的に負担する構図となります。一方、政府は低・中所得者層への減税でその分の負担を軽減しようとしています。

結果的にそれほど負担にならないのか、それともやっぱり負担になるのか、はじまってみないと分かりませんが、いずれにしても新年度は注意深く家計簿をつける必要があるんでしょうね。

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