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なんで銀行だけがお休みなの?

今日は8月1日(月)。なぜかニュー・サウス・ウェールズ州では「バンク・ホリデー(Bank Holiday)」の祝日となっています。

この祝日、オーストラリア全国の祝日でもなく、ニュー・サウス・ウェールズ州全体の祝日でもなくて、ニュー・サウス・ウェールズ州の銀行・金融関係のみのお休みなんですね。ですから街を歩いていても、多くのお店は普段通りの営業をしています。

なんで銀行だけお休みなの?というもっともな疑問が生じるのですが、ず〜とっ昔からの慣習ですね。

そもそもオーストラリアの国民の祝日というのは、法律で決められていて、それも労働基準法によって規定されています。現在全国の祝日は、以下の8つがあります。

元旦1月1日(New Year's Day)

建国記念日1月26日(Australia Day)

イースターの祝日(Good Friday)

イースターの祝日(Easter Monday)

アンザック・デー4月25日(Anzac Day)

英国女王誕生記念日(Queen's birthday)

クリスマス12月25日(Christmas Day)

ボクシング・デー12月26日(Boxing Day)

これ以外は、各州政府の祝日法で独自に取り決めることができます。ニュー・サウス・ウェールズ州では、8月の第一月曜日を「バンク・ホリデー(Bank Holiday)」として制定して、銀行や金融機関はお休みしなさいとしています。(Retail Trading Act 2008)

実は、ニュー・サウス・ウェールズ州での祝日法はPublic Holidays Actと呼ばれるものですが、以前は「Banks and Bank Holidays Act 1912」と呼ばれていました。

なぜ祝日と銀行(Bank)が関係あるのかというと、これは英国で祝日をBank Holidayと呼ぶことからきています。銀行が休みになると、ほかの会社やお店はお金の出し入れができなくなり、お休みにしようとなるからです。

で、その昔、英国の銀行家で国会議員の人が1871年にBank Holidays Actという法律を提案しました。実はこの議員、大のクリケットファンで、家族とともにクリケットの試合観戦をしようということで、何日かお休みを従業員にも与えたいと考えたそうです。その当時はキリスト教に関係のある記念日を祝日としてイースターやボクシング・デーなど年に4日間の祝日をこの法律で制定しました。

この4日間に8月の第一月曜日も含まれていて、その名残で、植民地であったオーストラリアでも「バンク・ホリデー(Bank Holiday)」として定着したわけです。

まあ、いまでは国民(州民)の祝日というより、銀行員のお休みという意味しかありませんし、ATMやインターネット・バンキングの利用で困ることもありません。

祝日に関しては、よくオーストラリアは休みが多いと言われますが、日本に比べると実は少ないんですね。日本は一年に13日の祝日がありますが、オーストラリアでは8日間、ニュー・サウス・ウェールズ州では9日間です。20日間の有給休暇をしっかり取るから休みが多いという印象があるのでしょうが、実は祝日はずっと少ないんです。

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