【2011年8月15日掲載】
今回はGreat Ocean Roadをさらに西へ西へ、メルボルンとアデレードの中間地点の港町、Portland、そしてPortlandに拠点を置く風力発電研究団体「Portland Wind Project」をご紹介します。
ポートランドは1830年代に開拓が行われた地域。ここはメルボルンとアデレードを結ぶ海岸線の間では唯一、大型船が出入りできる充分な水深をもった港だったために、輸送・貿易を中心として発展しました。築100年以上の建物も残っているなど、当時の様子が思い起こされます。
さて、ここポートランドでは「Portland Wind Energy Project(PWEP)」という団体によって風力発電の開発・発展が行われています。PWEPが風力発電所を建設しているのは、Cape Bridgewater、Cape Nelson、Cape Sir William Grant、そしてSA州にあるYambukの4つの地域。海から近く常に風が強いという立地を活かして、各地で大規模な風力発電所が建設されてきました。
Cape Bridgewaterにある風力発電所。近くにいても案外静かです。
PWEPが目指しているのは、年間12万5千戸の住居で消費される電力をまかなうことができるだけの規模にまで発展させること。もしそれを達成できれば、換算するとなんとヴィクトリア州の住居全体で消費される電力の7%を発電できることになります。これはGeelong規模の街を支えることができるほどだそうです。開発事業の完成予定は2011年、今年です。
この開発はオーストラリアのみならず南半球で最大のもの。世界規模で環境・社会・経済面で良い変化を起こすことができるだろうといわれています。各地それぞれに適した発電方法と、その開発事業が推進されるきっかけになってほしいです。
Portlandへのアクセスは、Ballaratまで電車、そこからVlineバスに乗り換えるのが簡単です。早朝に出発しても到着は昼頃になりますが、ビーチや散策に適した自然保護区や釣りができる場所などいろいろ見所もあるので、できれば泊まりで行くのがおすすめです。
Ryo
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