”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート) |
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Joe Tsuda のプロフィール
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。
趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
今週の主な予定、イベント
10/31(月)日本外国為替平衡操作、9月ユーロ圏失業率、トリシェ総裁任期終了、米シカゴ購買部協会景気指数
11/1(火)日銀金融政策会合、10月中国製造業PMI、RBA 理事会、9月ユーロ圏製造業PMI、10月ISM製造業業況指数、Q3英国GDP速報値、ECB第三代総裁ドラギ氏就任
2(水)9月豪住宅建設許可、10月独失業率、10月米ADP民間雇用者、米FOMC、バーナンキ議長会見
3(木)日本祝日、9月豪小売売上高、10月中国非製造業PMI、新規失業保険、ECB理事会、10月米非製造業PMI、ロックハート・アトランタ連銀総裁講演、G20首脳会談(仏カンヌ)
4(金)G20首脳会談(仏カンヌ)、10月カナダ失業率、10月米雇用統計
マーケットの焦点
キーワード― 欧州債務問題、日銀円売り介入、G20カンヌサミット、米国10月雇用統計、中国PMI
先週の金融市場では欧州問題の不安後退から、総じて株式市場、商品相場は上昇し、ユーロや豪ドルのなどのリスク通貨も軒並み10月の高値まで値を戻す計算となりました。
昨日シドニー市場早朝、“懐かしのドル円突っ込み売り”が出てドル円は戦後安値を更新し75.32の史上安値を付けました。
しかしさすがに政府日銀は“市場にコケにされた”と思ったのでしょうか、東京時間10:30AM頃、75.75近辺から大規模円売り介入が開始されました。
(一説には10兆円規模)
最近のG7声明では”為替市場で決定されるレートを尊重する”と述べられ暗に日本の介入に否定的であると受け取られて、”介入は出ないもの”と思っていた史上筋にはひと泡吹かせたことは間違いないかもしれません。
ただ東京時間75円台から79円台半ばまで急上昇したドル円も、早速ECBのゴンザレスパラモ専務理事の「単独介入は好ましくない」というコメントもあり、欧州時間では77円台まで反落しています。
今回の介入は、先週の欧州問題改善のタイミングに敢えて歩調を合わさず、安住財務相も「単独介入であり、市場がどう思おうが納得するまで介入する」と異例の発言をするなど、ちょっと違和感を伴う介入となっています。
政府の円高対策や日銀の追加緩和措置の発表を全く無視してジリジリ進む円高に業を煮やした介入とも言えますが、単独介入でありその効果を危ぶむ声も聞こえます。
ただスイス中銀を見習う訳ではないでしょうが、「納得するまで介入する」、つまり金に糸目をつけない介入姿勢には鬼気迫るものがあり、短期的には軽視すべきではないでしょう。
介入はまさに国民の税金を使用して行われる訳で、中途半端に終わって更に円高が加速するようなことがあれば、それこそ野田政権の命取りにもなりかねず、政府・日銀も必死であろうと思われます。
客観情勢が日本の貿易黒字減少や年末に向けての円売り需要の高まりという追い風にあることを利用し、75円で円高を阻止し、このまま反転地合いにつなげて、あとは米国の“出口戦略”にバトンタッチと行けば、これは政府日銀としてもベストシナリオでしょうが、果たしてそううまくいくかどうか?
今週も欧州情勢はもちろんのこと、米国FOMC、豪州RBA理事会、ECB理事会と金利週間でもあります。ECB理事会ではドラギ新総裁の会見があります。
また先週FRBによる量的緩和第三弾の思惑が高まりましたが、水曜日のFOMCも注目されます。
更に週末に向けてはカンヌG20サミットや米国の10月雇用統計とまたまた材料盛りだくさん。
ここにやや季節外れとも言える“日銀介入”が加わった訳で、なんともにぎやかな1週間となりそうです。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.0316-1.0753 AUDYEN 78.38-81.62
今週の予想レンジ AUDUSD 1.0400-1.0700 AUDYEN 80.00-85.00
今週の豪ドルは神経質な動きの揉み合いでしょう
先週の豪ドルは大きく値を上げました。
上記のように欧州ソブリンリスク懸念後退から、リスク回避の巻き戻し更にリスク選好の動きが活発化した一週間で豪ドルも週初の安値1.03台前半、78円台前半から1.07台半ば、81円台半ばに値を上げました。
今週のハイライトはやはり昨日の日銀による円売り介入でしたが、ドル買いの反応から豪ドルは朝方の1.07近辺から1.05近辺に下落する一方、ドル円の急騰(75円台→79円台)が豪ドルの下落を凌駕する形で、豪ドル円は朝方の80円台から84円手前まで大幅上昇しました。
基本的には今週も欧州問題や米国FOMC、更に豪州国内では本日のRBA理事会(金利据え置きを予想)、水曜日の9月住宅建設許可、木曜日の9月小売売上高が焦点となります。
RBA理事会ではたとえ利下げがあっても、今後継続的な利下げサイクルに入る可能性は少なく、影響は一過性で、むしろ利下げが豪州経済に及ぼすポジティブな面が評価される可能性があります。
基本的には欧州債務問題の更なる悪化がない限り、年末を控えた資源関連の輸出の豪ドル買い需要も活発になることが予想され、豪ドルの底堅い展開が予想されます。
政府日銀の円売り介入が本腰の入ったものであれば、豪ドル円も堅調推移することが予想されます。
猶、来週から2週間日本に出張となりますので、本ブログは休信となります。
よろしくお願いいたします。
それでは 、今週も Have a nice WEEK!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j
サンプル例を添付させて頂きます。
・現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
・外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/
ご注意!
本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、
それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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