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2011年も今月で終わろうとしています。毎年この時期になると、日本ではその年の世相を表す流行語大賞が発表になります。
昨日発表された2011年の流行語大賞は「なでしこジャパン」に決まりましたね。(http://singo.jiyu.co.jp/)。
なんといっても国民を熱狂させた、あの女子サッカーの力強さを思えば当然の結果でしょうか。
今年の流行語大賞の候補としては、どうしても震災・原発関連の言葉が多かったようです。
「想定外」や「脱原発」「原子力ムラ」「再生可能エネルギー」「帰宅難民」「風評被害」などですが、そこで独断と偏見で今年の言葉を選んでみました。
まずなんといっても、「ただちに健康に影響はありません」(枝野官房長官)は、驚きでした。
それにしても専門家は、「原子力発電所は、二重三重の安全対策がなされており、安全かつ問題なく停止させることができるように設計されている」(班目春樹原子力安全委員長)とかいって、絶対安全神話に乗っかっていたのですから、安全・保安院を「保安院アホ」という、上から読んでも下から読んでも同じ回文の傑作が生まれるわけです。
こんな大事故を起こしたのだから、補償はきちんとしてくれるのかと思ったら、「放射線による“発がん”の確率上昇は認められていません」(文部科学省)、「因果関係が証明できない病気については補償しません」(東京電力)なんていう始末で、賠償について請求すると「一切の異議・追加の請求を申し立てることはありません」(東京電力の損害賠償請求合意書の文面)と言わなければならないなんて、ずいぶん強気の態度です。
そんな大人の駆け引きに子どもたちは、「わたしはふつうの子供を産めますか? 何さいまで生きられますか?」(首相に宛てた福島県の子どもの手紙)、「僕のお父さんは東電の社員です。原子力発電所を造ったのは、東電も含み、みんなです」(新聞への投書)と大人に問いかけ、批判しています。
じゃあ、いったいどうすればいいかというと、「汚染度の高いものは年寄りに、低いものは子どもに。福島のものは東京電力の社員食堂、永田町の議員会館の食堂へ」(小出裕章 京都大学原子炉実験所助教)という意見は納得できますね。
なんだかこの間の政府の対応などを見ていると、「地震に悲しみ、原発に怒り、行政に諦め」という気持ちがよくわかります。だからこそ「これはやっぱり天罰だと思う」(石原東京都知事)なんて発言には頭に来ます。
それに、震災結婚・震災離婚がいわれています。「震災後、いきなりお客さんの数が増えています」(婚活バーのオーナー)というほどで、「地震の揺れは結構大きかったんですよ。そのとき、彼のメールがとても心強くて」(3.11後に籍を入れた女性)というように、結婚に結びつくカップルがいるかと思えば、「地震の時の対応があまりに頼りなかった。自分だけ逃げようとした。私のことは目に入っていなかった」(震災後に別れた女性)なんていわれて離婚に至るケースもあるようです。
こうなると、ほんとうに震災はさまざまなところで私たちに大きな影響を与えています。
2012年は明るく、元気になる言葉がどんどん生まれてほしいです。
(水越)
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