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シドニー発豪ドル見通し(2011年12月05日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら日本の投資家に市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

12/5(月)独仏首脳会談(パリ)―独仏がEU新条約提案か?、10月ユーロ圏小売売上高、11月ISM非製造業景況指数、10月米製造業受注、エバンス・シカゴ連銀総裁講演

6(火)ガイトナー米財務長官訪欧、RBA理事会(金利据え置き予想)、第三四半期豪州経常収支、第三四半期ユーロ圏GDP(改定値)、カナダ中銀理事会

7(水)RBNZ(ニュージーランド準備銀行)理事会、第三四半期豪州GDP、10月英鉱工業生産

8(木)10月日本国際収支、11月豪州雇用統計、韓国中銀理事会、BOE理事会、ECB理事会、米新規失業保険、EU首脳会談~12/9(ブラッセル)

9(金)EU首脳会談、第三四半期日本GDP二次改定値、11月中国各種指標(CPI、PPI、鉱工業生産、小売売上高)、10月米貿易収支、12月ミシガン大学消費者信頼感指数

マーケットの焦点

キーワード― 欧州債務問題の進展<12/8(木)-9(金)EU首脳会談>、RBA理事会(火)と豪州11月雇用統計(木)、その他各国中銀理事会(ECB、BOE、カナダ、韓国、NZ)、中国11月各種経済指標(金)、日本国債格下げ観測

先週は結果的に欧州不安が後退し主要国の株価並びに商品相場は大きく回復しました。前週まで欧州債務問題は悲観的見方一色でしたが、さすがに先週から今週へと続く一連の欧州財務相会談やサミットに対する期待感が高まりました。

また先週はいくつかの市場サポート材料が出ました。

まず水曜日に中国は国内銀行の預金準備率を引き下げ、2010年秋から始まった金融引き締め政策の転換を明確にしました。

また同日FRB、日銀、ECBなど主要6カ国中銀が、欧州問題対応措置としてドルスワップ協定の金利引き下げで合意し、ドル資金供給拡充策を明らかにしたことが市場に大きな安心感を与え、各国の株価がジャンプアップしました。

加えて先週発表された各種米国経済指標(11月ISM製造業景況指数が良好、11月の失業率は9.0%の予想に対して8.6%に低下)が堅調な結果となったことも市場のセンチメントを改善しました。

また発表された日銀の外国為替平衡操作額(10/28-11/28分)が9兆円を超え、日銀が11月も覆面介入を継続していたとの観測が、クロス円レートを押し上げ、リスク選好の動きが増幅されました。

このように11月下旬に欧州問題は、一応底を打った感があります。

しかしなんら問題の具体的解決がなされた訳ではなく、”むしろ長く続いてきたベアマーケットに調整が入った”というところでしょう。

今週8-9日に開催されるEU首脳会談で、具体的に債務問題解決に進展が見られるか大いに注目されます。

ポイントとしては、EFSF拡充具体策とEFSF原資調達問題、財政規律をより厳格に規定したEU条約改正問題、ユーロ共同債構想などです。

先週の市場センチメントの改善が、更に拡大してリスク選好の動きに繋がって行くか?あるいはセンチメントの改善が長続きせずに、再び反落するか?

今週はそれを見極める週となりそうです。

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ AUDUSD 0.9803-1.0331 AUDYEN 76.12-80.51

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0000-1.0400  AUDYEN 78.00-82.00

今週の豪ドルは下値は押し目買いでサポートされ、結局”高値テスト”でしょう

先週の豪ドルは前週後半のリスク回避の巻き戻しが継続し、上記のように欧州情勢改善などを受けて1.03台、80円台まで大きく回復しました。

ただ国内的にはむしろ悪材料が多い週でした。

火曜日に発表された政府の経済・財政中間見通し(MYEFO)では経済・財政ともに、当初5月の予算案の見通しから下方修正されました。

また発表された10月の小売売上高は+0.2%(予想+0.4%、前回+0.4%)、住宅建設許可件数は-10.7%(予想+3.3%、前月-13.6%)と不冴で、しかも同日S&Pは豪州四大銀行など、豪銀の格下げを発表しています。

今週は上記のように欧州首脳会談を控えて欧州問題解決の糸口が見つかるかが、最大の焦点となります。

一方、豪州国内でも明日のRBA理事会に水曜日のQ3GDP、木曜日の11月雇用統計とビッグイベントが重なります。

現在市場はRBA理事会における25bpの利下げを80%近く織り込んだ状態ですが、一方来年の2月まで現レベルで様子見をするのではとの見方もあり、利下げの可能性はまさに”五分五分”と言ったところ。

個人的には11月の利下げでRBAは「やっと金融政策を引き締めからニュートラルに戻した」と言っており、もし12月も連続利下げをすれば”ニュートラルを通り越して緩和バイアスに突入することになるため”、12月は様子見(金利据え置き)ではなかろうかと思っています。

今週の豪ドルは欧州情勢とRBA理事会を両方ウオッチする必要があり、たとえ利下げがあったとしても、欧州情勢が好転する場合には、下げも一過性という気がします。

RBAが声明文で述べているように、11月の利下げの背景は欧州問題であり、もし欧州問題が改善する場合には今後追加利下げをする最大の理由がなくなるからです。

いずれにしてもさすがに”景気の先行きに人一倍敏感な通貨豪ドル”なだけあって、上にも下にもよく動きます。

今回の下げも結果的に0.96台、74円台で底打ちしましたが、特に豪ドル円の75円割れは、本邦個人投資家の豪ドル買い意欲が旺盛であったことをお伝えします。

年末にかけては、以前指摘したように資源輸出関連の豪ドル買い需要が毎年増加する傾向もあり、欧州問題が再びデザスターに逆戻りしない限り、豪ドルも堅調地合いを維持するものと思います。

 

それでは 、今週も Have a nice WEEK!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

・豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。 http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

・現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

・外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

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☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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