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身の回りにも中国人の影が…

ここ数年、シドニーの街を歩いていて、中国人の姿が増えているのを感じますが、世界経済の牽引役としての中国の台頭が、観光客や移住者の中国人の増加を生んでいるようです。

そのことはオーストラリアとの間での貿易や投資にも顕著に現れていて、中国は日本を抜いて、オーストラリアの貿易相手国1位となりました。

投資の分野でも、資源産業への投資の増加や、鉱山や資源会社の買収など、このところの中国パワーの躍進ぶりには目を見張るものがあります。

私たちの身近な生活では、不動産物件の買収や投資があげられます。周りのユニットのオークションなどに中国人の姿をよく見ます。いま、オーストラリアの不動産市場へのアジアからの投資が大きな話題になっています。

現在、オーストラリア全国で、37のアパートメント(ユニット)建設計画、総戸数1万3,000戸の不動産が海外からの投資によって進められています。商業不動産市場では約半数を海外投資が占めていましたが、今では一般住宅の不動産市場にまで進出し、海外投資の割合は32%になっています。

アジアの投資家は、特にシンガポール、香港からが多く、海外不動産投資の半数以上を占めています。次いで、マレーシア、中国、韓国、インドとなっていて、アジア勢の合計は92%を占めています。

あたかも1980年代後半の、オフィスビルやリゾートホテルを買い占めた日本の投資ブームの再来を思わせる感がありますが、ここ5年間で、外国からの不動産開発への投資額は10億ドルを超えています。

こうなると地元の不動産開発業者にとっては脅威となるわけで、特にGFC(世界金融危機)以来、銀行融資の条件として、住宅開発計画の販売戸数をすべてオフ・ザ・プランで売却しないとならないために、資金的に余裕のある海外からの不動産投資による開発物件には太刀打ちできないのが現状です。

開発費用がそれほど高くなく、経済が安定しているオーストラリアには、今後も海外からの不動産投資が続くことでしょう。もう頭打ちだ、供給過剰だという声もありますが、お金を生むところには人が群がるものです。

しばらくはアジアから人もお金もやってきて、オーストラリア経済に貢献してくれるのでしょうが、かつての日本の投資に対する反発のように、アジアマネーへの批判や、不動産買い占めに反発が起きないことを願うばかりです。

(水越)

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