未分類

モノレールは景観を壊す?

シドニーCBDの西側にダーリングハーバーがあります。1988年のオーストラリア建国200年に合わせて開発された一大観光スポットです。

当時の開発プロジェクトは、カジノ建設なども計画された壮大な計画でしたが、結果的には、展示場、会議場、ショッピングセンター、遊園地というものに落ち着きました。

このダーリングハーバーに、シドニー市内からアクセスするために作られたのがモノレールです。建設当時、大きな反対運動が巻き起こりましたが、結局、今日の姿となって毎日、市内とダーリングハーバーの間を運行しています。

ところで皆さんはモノレールに乗ったことがありますか? 観光客ならいざ知らず、シドニーに住む身にとって、モノレールはほとんど利用したことがないのではないですか?

ダーリングハーバーに行くには歩いていけばいいわけですし、モノレールの路線も限られた小さな範囲ですから、あまり利用価値がないのでしょう。それに一周したとしても全長3.6キロ、15分間の旅に、料金も5ドルと高めですし…。

このモノレール、毎年約300万人が利用していますが、その半数(54%)が観光客です。残りの半数(24%)がイベントやレジャーで訪れるシドニー市民、そして残りの22%が通勤客です。この数字が大きいのか小さいのかわかりませんが、そんなモノレールを、ここにきて取り壊そうという動きがでています。

2016年のダーリングハーバーの大規模な再開発に向けて、このモノレールが邪魔だというわけです。発表された再開発プランにはモノレールがなく、代わりにライトレール(路面電車)を走らせようというのです。

モノレール反対の最大の理由は、建設当初からあったもので、「景観を壊す」「醜い」というものです。

また、シドニーCBDの西、キングストリート・ワーフの北側に開発されるバランガルー地区と合わせて、ダーリングハーバーとともに、シドニー市の再開発に向け、サーキュラーキーとシドニー中心部をライトレールがジョージ.ストリートを運行することで結ぼうという計画案がでています。かなり大きな再開発になりそうです。

そんな壮大な都市計画にモノレールは邪魔だというわけです。市民を対象にした世論調査でも、45.2%が賛成し、反対の39.3%を上回っています。

利用しない人には関心のないことかもしれませんが、少なくてもシドニー観光の重要な足の一つです。果たしてモノレールの運命や如何に…。

(水越)

この記事をシェアする

この投稿者の記事一覧

その他の記事はこちら