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シドニー発豪ドル見通し(2012年7月2日)

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital,AT FUND,Sydneyでファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

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今週の主な予定、イベント

7/2(月)6月日銀短観、ユーロ圏6月製造業PMI、英6月製造業PMI、米6月ISM製造業景気指数、中国6月HSBC製造業PMI

3(火)ユーロ圏5月生産者物価指数、RBA理事会

4(水)豪州5月小売売上高/建設許可件数、英6月非製造業PMI、ユーロ圏6月非製造業PMI、独5年債入札

5(木)豪州5月貿易収支、BOE理事会、ECB理事会、米6月ADP雇用者数、米6月ISM非製造業景気指数、スペイン債・仏債入札

6(金)米6月雇用統計、カナダ6月Ivey購買部協会景気指数

マーケットの焦点

キーワード―欧州情勢(EU首脳会議のフォローアップ)、米国の6月雇用統計と金融政策、日本の6月短観―消費税増税問題と政局、中国の景気と金融政策

先週も欧州で始まり欧州(EU首脳会議)で終わった感じですが、思いのほかEU首脳会議で進展がみられたことから、金曜日は市場のリスク回避ムードが一転し、主要国の株価や商品相場は久しぶりに前週比で高値引けしました。

独が強固にユーロ共同債に反対しESM(欧州安定化メカニズム)の使途についても厳格な見方を崩していないことから、簡単にEU首脳による諸問題の合意は得られないものと(私を含め?!)市場は高をくくっていましたが、金曜日のFar East市場から既にポジティブな発言が各国から出始めていました。

結局EU首脳会議で合意された主な内容は:

・ユーロ圏の銀行の監督制度を統一すること

・1200億ユーロ規模の成長戦略

・ESMによる銀行への直接資本注入

・ESMによる国債購入に含み

市場が最も期待していたユーロ共同債については依然独の反対が強く合意は簡単ではありませんが、ESMによるスペインなどの銀行への直接支援に道が開かれた意義は大きいと言えます。

この動きを受けて金曜日のFar East市場ではユーロが既に1.24台から1.26台後半に、また98円台から101円台にジャンプアップし、豪ドルなどの資源通貨も連れ高となりました。

6月もギリシャの再選挙やスペイン、イタリアなどの銀行問題で欧州不安がメインテーマでした。もちろん欧州問題の根本解決とはまだほど遠い状態ですが、取り敢えず欧州問題解決にも前進がみられており、今週は”欧州以外の情勢”にも気を配る必要がありそうです。

まず第一には今週金曜日に発表される米国の6月雇用統計で、暖冬要因剥落の影響が弱まることから4-5月の低調な数値から持ち直すことが期待されますが、まだ1-5月の月間平均の就業者数の伸び16.5万人からは程遠く、予想値(NFPR+9.3万人、失業率8.2%)を大きく下回る場合には、再びQE3の思惑が高まるでしょう。

ただ改善が見られれば、先週もバーナンキ議長がQE3に慎重な姿勢を示しており、欧州情勢改善とともにQE3観測も後退する可能性があります。

第二に今朝発表された日銀短観(6月)は大企業製造業DIが-1(予想-4、前回-4)、先行きが1(予想-4、前回-3)と予想比強めの内容となりました。本日小沢元代表ら衆参52人が離党届を出し政局が混迷していますが、元々”日本の政治は円相場に影響を与えず”の言われ通りに相場への影響は軽微でしょう。

むしろ消費税増税やしつこい円高への対抗措置として7月11/12の日銀会合では追加金融緩和措置が取られる可能性があり、その場合には円売り材料視されるでしょう。

第三に中国関連ですが、週末に発表された中国の6月製造業PMIは50.2(予想49.9、前回50.4)とやや予想を上回る一方、本日発表された6月のHSBC製造業PMIは48.2(前回48.4)とやや弱めで、依然として景気後退懸念を払拭できません。

6月に3年ぶりに利下げを実施した中国ですが、景気テコ入れのために8月には追加緩和の思惑もあり、これは世界経済にとっての支援材料とみなされるでしょう。

今週は欧州不安からやや目がそらされ、米国や中国がフォーカスされる可能性がありますが、欧州不安の根本的な解決なしにはリスク選好ムードも一過性となるでしょう。

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ   AUDUSD 0.9969-1.0258  AUDYEN79.31-81.93

今週の予想レンジ AUDUSD 1.0100-1.0400  AUDYEN 80.00-83.00

今週の豪ドルは利食いによる売り戻し一巡後は、再度堅調地合いとなるでしょう

先週の豪ドルは、週初はEU首脳会議に対する警戒感や、スペインやキプロスの銀行支援要請、更にはムーディーズによるスペイン銀行の格下げなど材料にしたユーロ安地合いの中、週初に0.99台半ば、79円台前半の安値を付けましたが、週中は商品相場の堅調やEU財務相会議への期待感も手伝い、ユーロを上回って堅調推移となりました。

結局金曜日にはEU財務相会議関連のポジティブな内容にユーロがショートカバーを誘発しながら大幅に反発する流れを受けて、豪ドルも一段高となり1.02台半ば、82円近辺まで値を上げて、ほぼ高値圏で越週しました。

先週の豪ドル堅調の背景には、係る欧州懸念に一服感が出始めていること、更にはそれも一因となって今週(明日)のRBA理事会における利下げ観測が大きく後退していること、そして商品相場の底入れ感などがあります。

6月になって豪ドルは米ドルや円のみならず、ユーロやカナダドルなど対しても堅調推移しましたが、NZドルに対しては軟調地合いですがその原因はNZ震災の復興需要で景気拡大基調にあり、利下げ観測がいち早く後退していることがあります。

今週は欧州情勢以外にも米国の雇用統計が注目され、また国内でもRBA理事会以外にも5月の小売売上高、住宅建設許可、貿易収支などが発表されます。

欧州発の極端なリスク回避の流れが弱まれば、再び豪ドルへの資金流入が活発化する可能性も指摘されます。

まだリスク回避地合いがぶり返す可能性はありますが、基本的には6月上旬以来の反発地合いが7月の上旬も続くものと予想します。

それではHave a nice week in advance!!!

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「29_december_2010.pdf」をダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

 

ご注意!

本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、

それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

 

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1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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