今週の主な予定、イベント
7/23(月)豪州Q2PPI、EU外相理事会、モンティ・イタリア首相プーチン大統領会談
24(火)スティーブンスRBA総裁講演、トロイカ、ギリシャで交渉開始
25(水)豪州Q2CPI、日本6月通関ベース貿易収支、独7月ifo景況感指数、英Q2GDP、米6月新築住宅販売
26(木)NZ中銀政策金利、白川日銀総裁講演、韓国Q2GDP、独8月GFK消費者信頼感調査、米6月耐久財受注、米新規失業保険、米6月中古住宅販売
27(金)日本6月CPI、ロンドン・オリンピック開幕(~8/12)、米Q2GDP(速報値)、米7月ミシガン大学消費者信頼感
マーケットの焦点
キーワード―再び欧州不安(スペイン、ギリシャ)、米国の第二四半期GDPと月末FOMC
先々週は中国週間でQ2GDPはじめ多くの指標が発表されましたが、先週は米国週間で、バーナンキFRB議長の半期に一度の上下両院での議会証言や地区連銀経済報告(ベージュブック)の発表があり、また経済指標でも米国6月小売売上高、鉱工業生産指数、住宅着工件数、景気先行指標、7月フィラデルフィア連銀景況指数など多くが発表されました。
バーナンキ議長の議会証言では具体的にQE3への言及はなされませんでしたが、「景気回復と雇用改善促進に一段の行動を取る用意」が強調されました。
また発表された経済指標は総じて軟調であり、今月末のFOMCにおける追加緩和(QE3)の思惑が高まっています。
今週は金曜日に米国Q2GDP(速報値)が発表されますが、前期比年率で予想値が+1.5%(前回+1.9%)と軟調で、中には+1.2%程度という弱気な見方もあり、FOMCへの影響を見る上でも注目されます。
欧州問題は6月末のEU首脳会議以降一服していましたが、もちろんESM(欧州安定メカニズム)による直接銀行支援の是非論など多くの未解決事案を抱えていますが、先週金曜日はユーロ圏財務相電話臨時会合でスペイン銀行支援で合意が得られる一方、バレンシア州が債務返済で中央政府の支援を要請し、また本日はカタロニアやムルシアなどの地方政府も支援要請の見方が浮上しており、今後銀行支援にとどまらずスペイン政府自体への支援が必要になるとの見方が強まっています。
スペインの10年債利回りは先週金曜日に7.2%まで史上高値を更新しており、自力再建の可能性が遠のいています。
また明日から(EU、ECB、IMF)のトロイカ調査団がギリシャ入りして緊縮財政措置の緩和交渉が始まりますが、独は依然として緩和反対で「合意した改革を実行できない場合はユーロから離脱すべき」との厳しい立場を取っており、交渉の難航が予想されます。
本日早朝もユーロが金曜日のニューヨーククローズから”下に窓を開ける”いわゆるギャップオープンで、ユーロは2010年6月以来の安値1.21近辺、特にユーロ円は2000年11月以来の安値95円割れまで軟化していますが、今週も欧州問題から再び目が離せない状況です。
ただ7月も世界各国で追加金融緩和が実施され、商品相場が比較的堅調な動きをしています。
また米国も追加緩和期待に加えてこのところ発表される米企業決算が好調であることから米株式市場も堅調であり、一方中国はじめ主要国も金融緩和を好感して商品相場も堅調推移していることから、年初に見られたようなリスク回避の動きが急激に高まる可能性も少ないように思われます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.0202-1.0444 AUDYEN80.46-82.11
今週の予想レンジ AUDUSD 1.0100-1.0400 AUDYEN 80.00-83.00
今週の豪ドルはユーロに連れ安となるでしょうが、反落局面が押し目買いにサポートされる展開となるでしょう
豪ドルは6月初旬に0.95台後半、74円台半ばの安値を付けて以来UPS & DOWNSしながらも上昇トレンドを築きつつあります。
先週も欧州不安くすぶる中、火曜日に公表された7月RBA議事録で景気判断がやや上向きになり「政策金利を更に調整する必要はない」意向が示されたことも豪ドルをサポートしました。
前週発表された6月の弱い雇用統計や7月から導入されているCARBON TAX(炭素税)への不評をよそに、中国はじめ世界的な追加金融緩和にサポートされて商品相場が堅調であること、また欧州不安や米国の金融緩和期待からユーロや米ドルが軟調推移する状況から”漁夫の利”を得ている側面もあり、対米ドルで一時1.04台、また対ユーロでは0.85台まで史上高値を更新しています。
ただドル円の78円台前半への軟化を受けて対円では82円台で頭が重く、週末にかけては欧州懸念増大から今週は1.03近辺、80円台半ばまで反落しています。
今週は水曜日に注目のQ2CPIが発表されますが予想はヘッドライン(全項目)で前年比+1.3%(前回+1.6%)、RBAの重要視するアンダーライイング・インフレーション(刈り込み平均値と加重中央値の平均)は+1.9%(前回+2.15%)といずれも弱い数字となりそうですが、7月のRBA理事会声明や議事録の内容から推測して、弱いCPIをもって即8月利下げとはならないように思います。
もっとも欧州情勢が再度急変する場合話は別ですが、、、、
今週もまだまだリスク回避の動きは尽きませんが、豪ドル反落局面では本邦個人投資家さんのみならず、アジア、中東、欧州、ロシアなど各国中銀やSoveriegn Wealth Fundなど機関投資家の押し目買いが強まることが予想されます。
それではHave a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/