今週の主な予定、イベント
9/24(月)日銀議事録、欧州議会LIBOR問題で公聴会、ラガルドIMF専務理事講演、ウイリアムSF連銀総裁講演
25(火)メルケル独首相・ドラギECB総裁会談、スペイン8月財政収支、ジョルダン・スイス中銀総裁講演、独伊首脳会談、オバマ大統領国連演説
26(水)自民党総裁選、ギリシャゼネスト、米8月新築住宅販売、エバンス・シカゴ連銀総裁講演
27(木)独9月失業率、英Q2GDP確報値、米Q2GDP確報値、米8月耐久財受注/中古住宅販売件数、米失業保険、メルケル独首相講演
28(金)日本8月雇用統計/CPI/鉱工業生産、イタリア85億ユーロ国債償還、仏Q2GDP確報値、ユーロ圏9月CPI、中国代表国連演説
マーケットの焦点
キーワード―日本期末キャッシュフロー、欧州債務国各国対応、米大統領選挙動向と金融政策
9月も早月末ですが、9月は総じて市場のセンチメントも改善し、主要国の株式市場(除中国)や商品相場は上昇し、また欧米の金融緩和措置を受けて債券市場も値を上げました。
月初のECB理事会では新債券購入プログラム(OMT)が決定され、加えて独憲法裁判所のESM及び新財政協定に対する合憲判断を受けて欧州情勢が改善したこと、更には米国の量的緩和第三弾(QE3)の決定や、日銀の追加緩和措置、中国のインフラプロジェクト発表などもセンチメントの改善に寄与しました。
ただ先週はこのようなリスク選好の動きを一巡し、むしろ欧州債務国へ各国対応面での諸問題が表面化し、また日中の領土問題が今後両国経済に中長期的影響を及ぼすとの見方が広がり、再び”リスク回避のドル買い・円買い”が活発化しました。
先週は日銀の追加緩和を受けて一時79円台まで上昇したドル円は早くも78円台前半に反落しています。
今週は月末・期末となりますが本邦企業・機関投資家の外貨建て資産売却(リパトリ)の円買い圧力が高まる可能性が指摘されます。
因みに過去7年間(2005-2011年)の3月期末と9月末のドル円の月初/月末比較(騰落)を見ていますと、意外と本期末(3月)はドル円が下がったのが2007年と2008年の2回のみ。一方9月はドル円が上がったのが2005,2006,2011年の3回という結果です。
つまり9月末に需給面から円高になるというパターンは確認できませんでした。
ただリスク回避ムードが強い場合にリパトリの円買いが重なればドル円が77円、76円台をテストする可能性が高まり、その場合にはIMF容認(IMFは円はやや過大評価との認識)の元、政府日銀の円売り介入の可能性が高まります。
欧州情勢ではESMや新債券購入プログラム(OMT)など”救済システム面”では前進が見られましたが各国対応は問題山積。
スペインを巡る支援要請の催促や銀行ストレステストの結果公表が注目されます。
またギリシャへのトロイカ調査団の協議が一旦休止していますが、28日までには115億ユーロ規模の歳出削減パッケージが議会を通過するか気になるところです。
その他、先週はロムニー共和党大統領候補の失言問題がクローズアップされましたが、オバマ大統領を猛追していたロムニー氏の失地回復となるか?
米国指標では大きなものはありませんが、耐久財受注や住宅関連指標、そして失業保険申請件数(最近また悪化している)は金融政策の行方を占う上で注目されます。
また中国は10月初の国慶節や指導部交替を控えて新たな金融・財政政策が明らかにされるのか興味が持たれるところです。
9月に入ってからリスク選好の動き→その巻き戻しと来ましたが、今週は特に大きなイベントもなく、次の材料探しでリスク回避/選好のミックスした相場展開が予想されます。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.0367-1.0547 AUDYEN 80.96-83.00
今週の予想レンジ AUDUSD 1.0300-1.0600 AUDYEN 80.00-83.00
今週の豪ドルは再び1.03-1.05、80-83円台中心の揉み合いでしょう
先週豪ドルは国内要因乏しく、海外要因を見ながらの相場展開でしたが、全般的には前週のリスク選好で高値をテストした後で、利食い調整色が強い展開でした。
発表された9月の中国HSBC製造業PMIは予想をやや上回り47.8(前回47.6)でしたが依然として50以下となり景気減速懸念を払拭できません。ただインフラプロジェクトの発表などからむしろ金融緩和期待が後退しており、中国株式市場は主要国で唯一8月末の水準から下落しています。
また発表された9月のRBA議事録で中国景気や商品相場下落への警戒感が示され、「豪ドルはいくらか過大評価」の指摘も豪ドルの上値を重くしました。
今週は月末・期末ということでリパトリに絡む豪ドル売り観測もありますが、むしろ今年の豪ドル相場堅調の原因は世界各国中銀の外貨準備分散投資の豪ドル需要であり、これらの中銀の豪ドル債保有は長期に亘るため、期末の豪ドル売り需要とはならないでしょう。
欧州リスクが再び高まる場合には豪ドル下値トライ(1.00割れ、80円割れ)が予想されますが、下値圏では押し目買い需要が強まることが予想されます。
10月のRBA理事会における利下げ観測は依然強いですが、欧州情勢が再度悪化しない限り”金利据え置き”ではなかろうかと思います。
それではHave a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
http://www.gaitame.com/gaitame/