今週の主な予定、イベント
12/17(月)ドラギECB総裁議会証言、12月NY連銀製造業景況指数、ラッカーリッチモンド連銀総裁講演
18(火)RBA議事録、インド中銀政策金利、英11月小売売上高、消費者物価指数、製造業物価指数、フィッシャーダラス連銀総裁講演
19(水)日本11月通関ベース貿易収支、日銀金融政策決定会合、英中銀議事録、米11月住宅建設許可件数/住宅着工件数
20(木)NZQ3GDP、日銀金融政策決定会合、スペイン11月財政収支、米11月景気先行指数
21(金)12月日銀月報、英Q3GDP、米11月耐久財受注
マーケットの焦点
キーワード:自民党圧勝、日銀金融会合、米財政の崖
先週は米財政の崖問題は進展がないものの、欧州懸念も一服、更に中国株の上昇もあり、世界的にリスク許容度が増加し株価や商品相場は堅調推移しました。
北朝鮮のロケット発射による緊張に加えて、衆議院選を控えて世論調査では自民優勢が伝わり、また今週の日銀会合における追加緩和期待もあって、為替市場では”ドル安・円安”が顕著となりました。
注目の衆議院選では自民圧勝となり、本日早朝のシドニー市場ではドル円及び円クロスは軒並みギャップオープンし、ドル円は84.37近辺、豪ドル円は89.04近辺、ユーロ円は11.20近辺まで一時値を伸ばしましたが、その後は利食い売りにやや反落しています。
自民党圧勝により、市場では選挙公約通りに日銀に金融緩和圧力をかけるとの見方が優勢ですが、日本の景況の悪さから今週開催される日銀会合では追加緩和策が発表される公算が高いと言えます。
先週の12月日銀短観の不冴えな数字や19日に発表される日本の11月貿易赤字が5カ月連続で赤字になるとの観測が日銀追加緩和観測を支持しています。
ドル円は従来の強い抵抗線であった83.10-20をクリアに上抜いており、今年4月の高値84.18も一時ブレークしていることから、更に上昇トレンドを築きつつあると言えます。
テクニカルには90円をうかがう動きも考えられます。
現在市場のリスク要因は欧州から米国に移りつつあると言えます。
米財政の崖問題では実質的期限である12/23までの決着を目指していますが、民主・共和両党の歩み寄りがないことから、年内暫定的な解決措置を講じた上で、来年初仕切り直しとういうパターンも考えられ、一時的にせよドル売り材料視される可能性はあるでしょう。
またアジア諸国から右翼系と警戒される安倍政権が誕生すれば、現在緊張状態にある北朝鮮、中国、韓国との地政学的懸念が更に拡大する可能性がある点は懸念事項です。
年末に向けて総じてリスク選好的な動きが予想されますが、上記のように米財政の崖問題や根本的解決に至らない欧州問題、更にはアジアの地政学的懸念などがリスク要因として残ります。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 1.0461-1.0585 AUDYEN 86.05-88.53
今週の予想レンジ AUDUSD 1.0450-1.0650 AUDYEN 87.00-90.00
今週の豪ドルは利食い売りをこなしながら堅調維持でしょう
先週豪ドルは国内指標では11月のNABの企業信頼感/景況感は冴えない一方、12月のWESTPAC消費者信頼感や10月の住宅融資残高はまずまずであり、ミックスセンチメント。
また中国指標も11月の貿易収支で黒字が鈍化する一方、12月のHSBC製造業PMIは50.9と2カ月連続で拡大し(12カ月連続縮小の後)、鉄鉱石価格もトン当たり126ドル台まで上昇している点も豪ドルをサポートしました。更にユーロ懸念後退も手伝い豪ドルは1.05台後半、88円台半ばまで値を上げました。
また本日早朝は日本の衆議院選における自民圧勝をはやしたドル円の84円台の急上昇を受けて、豪ドル円は一時89円台前半、豪ドル円につられて豪ドルも1.05台後半に上伸しています。
今週は豪州国内の大きなイベントはなく、上記のように日本の新政権の政策指針や日銀の金融政策、更には米国の財政の崖問題がフォーカスされますが、豪ドル需給面では年末を控えた豪州資源会社の来年度の資源輸出に係る豪ドル買い需要もあり、豪ドルが大きく値を崩す可能性は少ないでしょう。
米国の財政の崖問題の思わぬ進展がある場合には、リスク選好の動きに拍車がかかる可能性もあります。
それではHave a nice week in advance!!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当)
http://www.central-tanshifx.com/
☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)
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