オーストラリアはイギリスの流刑地としてスタートしましたが、カンガルー島に最初に流れ着いた白人は監獄から脱走した囚人や捕鯨船から逃げ出した乗組員たちでした。



彼らは水と食料、何より自由を求めてこの島に流れつき、やがてこの島に立ち寄る捕鯨船との交易を始めます。島で採れる塩やアシカやオットセイの毛皮と引き換えに、酒やたばこを入手していたそうです。

その後、1834年にイギリス議会法によって南オーストラリア会社が設立され、1836年にカンガルー島がオーストラリアで最初の自由移民による植民地に選ばれ、イギリスによる正式な開拓が始まります。

イギリスの探検家・航海者で、1802年から1803年にかけてオーストラリア大陸を周回し精密な海図を作った人。その前年、1801年から02年にかけて大陸南部沿岸部を西から東へ航海した際にカンガルー島を発見しました。

同時期、フランスの航海者、ニコラ・ボーダンもフランス政府の命を受け、オーストラリア沿岸の海図を作成するための航海中で、1802年4月、偶然マシュー・フリンダースに出会います。その当時のイギリスとフランスは交戦状態。しかし、最果ての海で出会った航海者で学者同士、双方に戦う気はなく、二人は陸にあがり歓談し、その湾をエンカウンター湾（偶然の出会いの湾）と命名しました。

余談ですが、当時のイギリスではこの大陸のことをテラ・オーストラリス、あるいは、ニュー・ホランドと呼んでいましたが、フリンダースは「他の地名とのバランスを考えると、オーストラリアという名前に変えたほうが良いと思う」と著書"A Voyage to terra Australis" に記し、1824年、英国海軍法により、この大陸の名前をオーストラリアと呼ぶことになったそうです。彼の偉業に因んで"フリンダース"はオーストラリア南部の地名、国立公園、大学、病院、通りの名前などに多く用いられています。

 

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