鼎談前編
人それぞれ違うワークライフバランスを尊重して良さを引き出す
まず、サイボウズさんはどういう意図でこのムービーを制作したんですか?
日本の場合、働く人のワークライフバランスの問題としてだけでなく、社会全体として少子高齢化の問題が大きい。その中でどうやって日本の経済を支えていくのかですよね。まず自国の子育て環境をどう整備していくのか。母親だけの問題じゃない。父親や会社の側にもこういった問題を提示するためにこのワークスタイルムービーを制作しました。ムービーの最後にある「働くママたちに、よりそうことを。サイボウズは応援します」は、私たちからのメッセージです。
オーストラリアは、それぞれバックグラウンドが違う人たちが集まって形成されている社会というのが前提としてあります。言葉や文化の壁とか、いろいろなギャップがあって、こちらで生活している日本人が地域社会や会社になじんでいくまでには、それなりの覚悟が必要だと思うんです。根性、忍耐、努力といった精神論もさることながら、コミュニケーションや情報共有がより重要で、そこからチームワークって生まれてくると思うんです。この部分は日本もオーストラリアも共通することだと思います。
私たちはただ問題を提示するだけでなく、まずは自社から多様性のある働き方をしていこうと実行しています。育児や通院、介護などがあっても在宅勤務を可能にする「ウルトラワーク」の実施に、男女ともに最長6年間取得できる育児休暇制度などを行なっています。実際、弊社の青野(サイボウズ株式会社代表取締役社長)は3度育児休暇を取りました。正直最初は会社が回るかみんな心配してましたけど、最終的にはチームワークで青野がいない穴もなんとか埋めました。
チームワークが重要なのは家族でもいっしょですよね。旦那さんと奥さんのそれぞれの会社の顔と、家庭の顔と、仲間内での顔、それぞれの顔、都合があってそれをお互いどこまで思いやれるかどうか。そういったところがなんとなくドラマを見ていて問題解決のひとつのアイデアなんじゃないかなって、私は思いました。
日本とオーストラリアでは、根本的にプライオリティが違うと思うのです。やっぱり日本だと、仕事の意識が高すぎる。24時間で仕事に対する時間と家族に対する時間の割合が9対1ぐらいって感じ。オーストラリアはだいたいが半分ずつくらいの割合で、仕事をがんばりたい人でも6対4くらいではないですかね。
何にどう時間を使うかは、社会じゃなくて個人が決めているんですよね。多様過ぎてみんなバラバラだから、情報を共有することがすごく大事。共有するってことはまずは可視化することですね。
「目標はこれです」と提示して、それをどういう風に達成していくかはお任せしますと。人それぞれに違うワークライフバランスを、個人の価値観としてちゃんと尊重して、それぞれの良さを引き出すことですよね。
「情報共有」「コミュニケーション」「チームワーク」で社会にある壁を乗り越えていく
では、社会にあるさまざまな壁をどうやって乗り越えていくのか。先ほど鷲足さんからのお話にもあったとおり、日本もオーストラリアも環境は違えど、結局は「情報共有」「コミュニケーション」「チームワーク」に集約されると思います。やっぱりチームワークがないと生きていけないし、仕事も成功できない。いかにチームワーク溢れる社会を作っていけるかどうか。それはサイボウズが創業当初から掲げてきた企業理念でもありますね。そのチームワークの形成を世界に広げていくためにkintoneがあるわけです。
やっぱりサイボウズ社内でもkintoneを使ったアプリケーションは使われているんですか?
はい。通常、アプリケーションは基本的にはエンジニアなど技術のある人しか作れないのですが、kintoneは、ユーザーが自らアプリケーションを作ることができるんです。サイボウズは社員500名未満の会社なんですが、今、社内では9000個近くのアプリ、つまり一人当たり平均で20個アプリを作ったということになっていますね。たまに、よくわからない『行ってらっしゃい』というアプリもありますね(笑)。
『行ってらっしゃい』アプリですか(笑)。サイボウズでは、技術者だけでなく、セールスなどの人たちも自分でアプリケーションを作ったりしているんですね?
そうなんです。たとえば、営業本部の顧客管理と案件管理アプリは、入社して2年目とか3年目の現場営業社員とベテラン営業社員がいっしょに作っていましたよ。
おもしろいですね。
業務フローを周りの意見を聞きながら、自分で考えてデザインしていっているんです。kintoneは一度作ってからもどんどん仕様をアップデートでき、変更にコストがそれほどかかりません。そこがkintoneの他との違いだと思います。
うちの会社でも社内にシステムの部署があるんですけど、かゆいところに手が届かない…。それをITにリクエストしても対応が遅いんですよ。平気で1ヵ月2ヵ月はかかってしまうので、ちょっとしたことでも頼みづらい。何度も直してもらうというのもいいづらいんですよね。でもkintoneだと、自分で改善することができるようになる。
自分で業務プロセスを改善できて、周囲からのフィードバックがあればまた直せるという気楽さで、そういう意味でどんどん社内のモチベーションを引き出せるんです。先日シドニーで行なったワークショップ(http://jait.com.au/report-25th-jait-meeting-kintone-workshops/)では、技術者だけではなく、技術者ではない方、60歳の方、日本人以外にもオーストラリア人、中国人、韓国人の方も参加されました。最初はkintoneの使い方も分からなかった参加者たちが、たった1時間で、顧客訪問スケジュール管理のアプリや旅行代理店の受注システムも作りました。私が使い方を説明したのも、冒頭にほんの5分ほどなんですよ。やっぱり各個人の創造性はすごいなって思いますね。この辺は仕事上の話で、実際のプライベートの家族とかコミュニティとか、いろんな情報共有の場で使うことができるんですよね。→後編へ続く
->ワークスタイルドラマ「大丈夫」鼎談・後編
kintoneについて
サイボウズが手掛ける、まったく新しいクラウドサービス。サーバーも、高価なソーシャルツールも、むずかしい設計も、プログラミングも一切不要、チーム業務に必要な「情報をためる機能」「進捗を管理する機能」「コミュニケーションする機能」を兼ね備えた、チームワークプラットフォーム。社内での利用だけでなく、会社の壁を飛び越え、取引先や関係者を巻き込んだ幅広いチームに活用されています。
kintoneについての詳細はこちら↓
https://kintone.cybozu.com/jp/
https://www.facebook.com/groups/1113275808737191/
kintoneセミナーについて
- 日時:2016年6月1日(水)18:30-21:30
- 会場:Jazushi - a fusion of Japanese & New Eurasian
- ウェブ:http://www.jazushi.com.au
- 対象:会社経営者、マネージャー、業務リーダー、IT技術者
- 募集人数:30名
- 参加費:無料
- クラウドサービス「kintone」を活用したチームワーク形成の極意
- 日本国内、オーストラリアにおける導入事例の紹介
- アプリ作成の実演(3分 hack)
- 質疑応答
厳選素材、卓越の技、愛情たっぷりのカナッペと各種ドリンクをご用意しています。ぜひ皆で盛り上がりましょう。