日本国内トップベンダーのサイボウズ社が手掛けるクラウドサービスである『kintone』が、オーストラリア市場に参入してもうすぐ1年。9月にはオーストラリアの現地法人『kintone Australia』も設立され、ますますオーストラリア市場に向けた活動が活発になっています。
「kintoneを自分たちの業務にどのように活かすことができるのかを具体的に知りたい」という声に応え、シドニーではkintone Australiaによる業界別のkintone勉強会が実施されています。
初回の飲食業界に続き、10月19日に留学業界向けの勉強会が行なわれました。
(飲食店向けkintone勉強会のレポートはこちら)
今回参加したのは、留学エージェント2社(Big Bridge International/アイエス留学ネット)からの参加者4名に、kintone Australiaの鷲足さんと遠藤さん、そしてkintoneエンジニアの永江さんです。
学生やワーキングホリデーの人たちの快適で充実したオーストラリア生活を、さまざまな形でサポートしてくれる留学エージェントの業務はじつに多彩なもの。はたして、留学エージェントの現場にはどのような課題があるのでしょうか?
改善したい点を出し合い、kintoneによって問題点や課題をどのように改善することができるのか考えてみました。
冒頭で遠藤さんがkintoneの基本的な使い方を説明した後、さっそくみなさんがどのような点を改善したいと感じているのかを聞いてみました。
挙がったのは以下の4点です。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
開口一番にとび出したのは「顧客管理の部分が一番気になっています」という言葉。
お客様と直接やりとりをする担当者(窓口)はひとりでも、ビザや学校、ホームステイなど、それぞれ専門のスタッフが連携してお客様のサポートをしています。問い合わせからメールのやりとり、申し込み、ビザの手配、学校への支払いなど、ひとりのお客様に対して行なってきたすべてのサポートの内容や流れをスタッフ全員で共有する必要があります。
なかでもBig Bridge Internationalさんのように、シドニー、東京、大阪と3つの拠点がある場合は、どこからでも、みんなが顧客情報を見られることが重要になってくるようです。
kintoneは、情報の共有はもちろん、だれが、いつ、どんな情報をアップデートしたか履歴を残すことができるので、複数の人が関わるような業務にもピッタリ。また、kintone内のアプリを連携させることで、顧客に関わるさまざまなデータのひも付けをし、ひとつの画面に表示することもできます。つまり、あるお客様に対して行なったサポートのすべてがひと目でわかるようになるわけです。
「ビザを申請したい」「専門学校を探している」…。お客様によって、興味のある事柄は異なります。データベースに蓄積された顧客データから、興味のある分野毎にデータを抽出して、お客様の嗜好にあわせてメールマガジン(メルマガ)の配信することができたらお客様はハッピーですよね。
kitoneに蓄積されたデータは、すべてエクセルファイルに集約することができます。抽出したデータのエクセルファイルを、kintoneとは別のメルマガ配信のシステムにインポートすることで、特定の人にメルマガを配信することができます。
kintoneは、プラグインやインポートなどで外部のシステムと同期させることができ、他のシステムとかけ合わせることでさらに使いみちが広がります。
資料請求や学校の申し込み、ビザの申請用紙など、お客様に送らなければならない資料は山のようにあります。もちろん、お客様毎に資料を送るタイミングも異なります。
最近は学費を分割払いで支払う学生さんも多いそうで、支払い回数が36回になることもあるのだとか…! それらを管理するのは至難の業ですよね。学費の支払いが遅れるとペナルティで追加費用が必要になるのが大半なので、そういったトラブルも未然に防ぎたいものです。
担当者にそれぞれの業務内容に関する通知を出して、リマインドすることができます。だれに通知するのか選ぶことができ、また通知のタイミングも当日、前日など、自由に設定することができます。
お客様の興味やこれまでのサポート内容などを社内で共有することは、お客様一人ひとりにあわせたベストなサポートをするために必要不可欠。とくに前任者からの引き継ぎなどの場面では、漏れを防ぎ、かつなるべく時間を短縮したいものですよね。
kintoneにメールなどでのやりとりを保存して情報を蓄積しましょう。また、kintoneには音声ファイルを添付することもできるので、録音したものを添付すれば議事録にもなります。後から「言った」「言わない」ともめることも防げますね。
スペシャリストの集まる留学エージェントさんだからこそ、情報を共有することで新たな視点を得ることにもつながるはず。失敗談なども積極的に共有していくことで、その失敗から他の人が学ぶことで会社の財産になります。
改善したい点を掘り下げていくと、留学業界では、顧客との一連のやりとりがわかるような
顧客管理アプリの需要が高いことがわかりました。
また、これらの改善したい点に対して、kintoneで有効的なアプローチができることもわかりました。
kintone Australiaでは、実際にアプリを作ってみるワークショップや、今回のようにkintoneでどのようなアプローチができるのかのディスカッションなど、みなさんのご希望にあわせたスタイルの勉強会を開催しています。
「自分の仕事にkintoneは活用できる?」「kintoneでこの課題を解決することはできる?」などのご質問はもちろん、勉強会の開催リクエストも受け付け中! お気軽にお問い合わせください。
勉強会の最後に、参加者のみなさんにそれぞれ感想を聞きました。
到着から現地でのサービスまで、ひとりのお客様に対するプロセスが共有できればいいなと思っています。今使っているデータベースがかなり古く、業務の時間短縮につながるポイントがここにあると思って参加しました。まず一度自分で使ってみて、そこからアドバイスをもらって、うちの会社のスタイルにあったものを作っていくことができれば有効に活用できるだろうなと思いました。今使っているデータベースからどうやってうまく移行できるか、またどこまでアフターケアしていただけるかも気になります。
現場が必要としているものを使うことが業務の時間短縮につながると思います。技術者を入れなくても現場をわかっていれば直感的にアプリが作れるというのがすごく魅力的ですね。もちろん、現場から「こういうふうにできないかな?」と相談があれば、僕たちのような技術者がそこから拡張することもできるし、kintone、すごくいいなと思います。使ってみようと思います。
「どういうふうに使えるのかな?」と想像しながら参加したんですけど、お話を聞いているうちに「これにも使えるかも」「あれにも使えるかも」とアイデアがどんどん出てきました。今は、共有のノートやメール、SNSなど、複数のコミュニケーションツールで養成講座の先生たちと連絡を取っているんですけど、「これはどこでやりとりしたかな?」とあれこれ探すことも多く、それをkintoneひとつにまとめられたらすごく便利だなと思いました。
「kintone」にご興味のある方は、最新ニュース・イベント情報が随時更新されるfacebookグループ「kintone community in Australia」(https://www.facebook.com/groups/1113275808737191/)にお気軽にご参加ください。
大橋賢一さん
Big Bridge International 代表取締役社長
導入を前向きに検討しながら、今回の勉強会に参加しました。導入事例などを事前にウェブで見て、「どういったことができるのかな?」と疑問に感じていたことを、今日解消することができました。まずは30日間のお試し版を使ってみたいと思います。機能ももちろんですが、みんなが「楽しい」と感じながらkintoneを使っていくことができれば、仕事の効率をあげたり、会社のよい雰囲気を作っていくことにつながると思っています。